57 電話のセールス撃退法
セールス電話撃退法。光の場合。
るるるるる……るるるるる……がちゃ
「はい~、高山で「あ、もしもし、ナンタラ商業のおでんと申しますがぺらぺらぺらぺら」……」
変わった名前だな~。
それでもって早口だな~。
「ペーらぺらぺらこのような製品ぺらぺら、わが社ぺらぺらぺらぺらぺらぺら」
早口言葉だ~。
「ぺらぺらぺらところでお宅のポットはぺらぺらですか?」
え~っと~……。
聞き取れないよ~。
これって所謂セールス電話ってやつだよね~。
「何かよく分かりません~」
「あ、そうですか、ぺらぺらぺら」がちゃ。
つーっ、つーっ、つーっ、つーっ
……あれ~、切れちゃった~。
忍の場合。
るるるるる……るるるるる……がちゃ
「はい、高山で「あ、もしもしナンタラ商業のどーたらですが」最後まで言わせてよ」
「ペーらぺらぺらこのような製品ぺらぺら、わが社ぺらぺらぺらぺらぺらぺら」
聞いてないな、こいつ。
これがセールス電話かぁ~。
初めて聞いたよ。
いきなりがちゃって言うのも可哀想だからちょっとだけ聞いといてあげよ。
「ぺーらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺら」
なんだか外国語聞いてる気分になってきたよ。
「ぺらぺらぺらぺらぺらーぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺら」
よく息続くな~。
「ぺらぺらぺらところでお宅のポットはぺらぺらですか?」
いや、んな事言われても意味分かんないし。
んーっと……
「確信はありませんがステンレス製です。それが何か?」
「ぺらぺらぺらぺら」
分からんってのに。
「すいませーん、おーい……「ぺらぺらぺらぺら」この電話は現在使われておりません! 聞こえたよね? 分かった?」がちゃ
よし。
次に同じ番号でかかってきたらとってすぐ切ってやろっと。
純の場合。
るるるるる……るるるるる……
電話? めんどくせぇな……。
るるるるる……るるるるる……
五月蝿ぇ。誰からだ。
《0120》
ぷつっ
切った。
0120なら知りあいじゃねぇだろうしな。
岳の場合。
るるるるる……るるるるる……がちゃ
「はいっ! 高山で「あ、もしもし、ナンタラ商業のどーたらと申しますがぺらぺらぺらぺら」誰?」
どーたらって何だよ。
「ぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺら」
んー?
早口言葉か? オレ早口言葉はちょっと苦手なんだよなー。
「ペーらぺらぺらこのような製品ぺらぺら、わが社ぺらぺらぺらぺらぺらぺら」
製品ー? わが社ー?
あっ! コレがセールス電話か! へーっ、へーっ!
「ぺらぺらぺらところでお宅のポットはぺらぺらですか?」
ポットぉ?
「…………」
あー、何か待ってるし、何か言わねぇといけねーんだよな。
「もー一度ゆっくりお願いします。聞かねーけど」
「あ、そうですか、それではぺらぺら」がちゃ
……あれっ? 切れた。
ま、いっか。




