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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、弥生ば暴走
408/410

408 いらないものはこまめに捨てましょう

「……あれ~? お姉ちゃん掃除してるの~?」

「うん。中学の整理しとかないと」

「今日は真面目な人格なんだね~」

 どういう意味? あたしの中に色んな人格が巣食ってるとでも言うつもりか?

 ……否定はできないのかもしれない。

 忍でーす。

 部屋の……と言っても、部屋は光との二人部屋だから、正しくはあたしの家具の周りの整理をしています。

 なんとびっくり、小学時代のテストが出てきました。理科、百点。よし。……なにがよし? なんであるの? ねぇ君? 迷子になったの? お母さんは? テストのお母さんって何? 機械? 先生?

 まぁ、それはともかく、棚だの机だのから取っとく物といらない物を仕分けしています。このテストはいらない物。中学の教科書は副教科以外取っとこう。ノートは……いらないな。教科書で十分。

 そんなこんなでどんどん分けます。とことん分けます。

 ……また小学時代の物が。『フリー学習』って書かれた紫のノート。

 コレは確か、小六の時に担任だった先生が『中学生になったら宿題が無くなるから、自分で勉強する癖を付けときなさい』ってことで出した宿題だ。一時間、何でもいいから何か勉強しろっていう……。

 少なくともあたしには、勉強する癖なんてつかなかったけど。

 でも、懐かしいなー。何やってたっけ。

『十月二十日 堀川先生の観察』

 …………………………なんかいきなり変なのやってるんだけど。フリーすぎるだろ。

『・怒りかたがおかしい ・こだわるところがおかしい ・なんかもう、色々おかしい』

 おかしいって事しか書いてない……。他にも似たようなことをいっぱい。

『十月二十一日 進○ゼミやりました』

 嘘吐けぇ! あたしの事だから絶対溜めてた! やって無かった! そして多分、この宿題をやるのを忘れてた。

『十月二十二日 『赤い靴』の替え歌 『青い目の人形』の替え歌』

 なんでこの曲!? なんでこの歌!? 古すぎやしないか!? 先生ぜったい分かんなかったよ『青い目の人形』って曲。

 あたしだって、お母さんに誘われて、老人ホームにボランティアで歌歌いに行くために知った曲だし。お父さんも知らなかったって言ってたし。

「あ~、やっちゃうよね~」

「……ん? 何を?」

「掃除の途中に見つけた物を読んじゃって~、結局終わらないって事~」

 ……あるよねー。よし、読むの終わり! これはいらない物!

 えぇと、こっちのは……英語のワークか。パラパラっとめくってみたら、始めの数ページしかやってない。

 あれ? おかしいな。あたしのは真っ白の筈だ!

 ……いや、やって無いわけじゃないんだよ? 何回でも繰り返しできるようにノートにやっただけだからね? 今年『は』!

 で、これ、あたしのじゃないとすると誰の? 純兄だったら最後までやってそうだし……。あ、名前書いてあった。

『海中夏』

 なっくんか! なんでなっくんのワークがあたしの部屋にあるの!?

「なっくーん! なっくん! 居るー?」

「姉ちゃん……なんで壁に向かって叫んでんだ」

 岳と純兄の部屋。この隣はなっくんの部屋なんだよ? 頑張って叫べば聞こえると思う。そしたらベランダから行くよりも早い。

「居たら来てねー! ……よし」

「自分から行った方が早くね?」

「めんどくさい」

 さー、続き続き。

「……何だこれ」

「猫耳だね~」

「本気で言うわ! なんであんの!?」

「そもそも家にそんなのあったの~?」

 なんとなく気分で壁の方にぺいっ! 投げると言うよりも叩きつける感じで。

「あれって耳取ったらただのカチューシャだよね~? 貰っていい~?」

「どーぞどーぞ。カチューシャ欲しかったの?」

「うん~。みーちゃんがね~、こないだ可愛いカチューシャ買ってもらってたの~。でね~、何でもいいからカチューシャ付けてみたかったの~」

「ふーん……。可愛い柄の布でもまいといたら?」

「やってみる~!」

 あるのかどうかはともかく。

 さーて、大体分けられたな。

 ……要らないものを積み上げたら、机より高くなった。

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