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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、弥生ば暴走
396/410

396 受験当日の朝

「おはよー」

「ん、おはよう。早ぇな」

 ふむ?

 時計を見上げてみよう。六時五十分。

 純兄も一緒に見上げてたのを視線戻して、

「いつもに比べて、早ぇな」

 言い直すな。

 忍でーす。

 何を隠そう……いや、何も隠しませんが、受験当日です。

 いつも通りに顔洗って、着替えて、朝ご飯食べます。ちなみにパン。

「姉ちゃん、ジャムいらねーか?」

「欲しい」

 ブルーベリージャム。最近見てなかったけど、あったんだ。

「蓋閉めといてな」

 岳、絶対アンタ蓋閉めるのが面倒であたしに勧めたでしょ。

「ごちそさま」

「あ~っ! お姉ちゃんジャム片づけないで~!」

「ほいほい」

 ……光、ジャム付けすぎ。パンの上で紺色の山になってんじゃん。

 さて。

 カバンの中に上靴入れた、筆箱入れた、眼鏡入れた、受験票入れた、弁当入れた、下靴入れ入れた、腕に腕時計つけた。よし、確認オーケー。

 暇になっちゃった。

 行くには早すぎる。だって八時半までに集合だし。十分に着けば大丈夫だろうし。でも今はまだ七時半だし。第二水高はここから近いから十分から十五分もあれば着くし。

「あれ~? お姉ちゃんまだ行かないの~?」

「今行ったら寒い中一人寂しく校門が開くのを待つ羽目になるの。多分」

「ちぇ~、一緒に行けると思ったのに~」

 第二水高へ行く道の途中には水小があるのです。ちなみに水中は全く逆の方向にあります。

 家から見て、水小と第二水高は西側。水中は東側。ね? 逆でしょ?

「頑張ってね~」

「ありがと。行ってらっしゃーい」

『行ってきまーす』

 あと十五分か二十分。何しよう。

「あ、純兄行ってらっしゃい」

「ん。行ってきますと行ってらっしゃい」

「行ってきまーす」

 鞄、薄い。三時間授業だもんね。しかも授業じゃないもんね。何するんだろ。遊ぶのかな?

 …………あ、そうだ。お守り開けよう。

 運が逃げる? 逃げないよ、このお守りは。

 昨日ねー。放課後に、もう行先が決まってる人達が手作りのお守りくれたの。

 サプライズだったからすっごく嬉しかったんだよー。花上なんかは笑いながら泣いてた。

 長方形のお守り袋はなんとしーちゃんが一人で作ったんだと。横はブランケットステッチで、袋を閉めるところは、よくあるお守りみたいに真中に二つ穴をあけて、そこに紐が通すようにして閉められてる。何故か巾着型にもできるように、紐をぐるっと通せる穴も作ってあるけど。ぎりぎりまでどっちにするか決まらなかったんだってさ。

 中になんかメッセージが入ってるらしい。『朝、行く前に見て』との事。あたし限定で、純兄から『俺が行ってから見ろ』って言われた。余計に見れる時間削られてるんですけど。

 まぁとにかく、純兄も行ったし。見てみよう。

 ばらけないようにちゃんと左端がホチキスで止めてあった。……これやったのは柿ピーだな、きっと。左上には『To 高山忍』……ランダムじゃ無かったんだ。

 一枚目。

『落ち着いて、頑張ってね。りな』

 理奈さん。えぇと、生徒会で会計やってた気がする。うん、あたしは常に落ち着いてますとも。多分。

 二枚目。

『大丈夫、絶対受かる! 信じてれば必ず夢は叶う。 蔵元』

 蔵元くんや、高校受かることって夢なの? ある意味安心できる言葉ではありますが。

 三枚目。

『お前は天才と言う名の変人だ。きっと大丈夫。 中谷』

 しーちゃん、それって褒めてるの? けなしてるの? ……あ、『変人だ』の下に小っちゃく『褒めてないよ』って。やっぱりか!

 四枚目。

『しのぶは頭いいから大丈夫だよ~。マイペースだもん。 桜』

 ねぇ、桜? 前後の分が繋がってないよ!? あたしよりも桜の方がよっぽどマイペースだよ!

 五枚目。

『しのぶーっ! 本番だね! 大丈夫! まいが受かるよう祈っとくから❤ Fight! まい』

 三色の色ペンが綺麗です。『Fight!』の右隣に日本国旗が。元気出る! が、受験に元気って必要なのかは疑問。

 六枚目。

『がんばれ。 飛山』

 シンプルイズベスト! 流石飛山さんと言うか何と言うか。

 七枚目。

『しのぶの真面目なとこ尊敬してる! 絶対受かるよ。 山本』

 あたしを真面目だと思う人が居ることにびっくりだよ。授業中は静かにしてるけど、その裏で本読んでたりするよ? 知ってた? 山本さん。

 八枚目。

『昔々、松ちゃんという……受かったら父さんが続きを話してくれるだろう。 兄』

 よっしゃ、頑張ろ! 単純? いいじゃん別に。

 九枚目。

『三年生になってから成績がぐんと伸びました。そのままマイペースで頑張って。 カキノ』

 あたしは常にマイペースだよー。桜にゃ負けるが。

 こーゆーサプライズで貰った小っこいメッセージって嬉しいよねー。……と、ニマニマしながら読んでる内に、いつの間にか時計は七時五十七分に。あぁ、ちょうどいいや。出よう。

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