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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、弥生ば暴走
395/410

395 ノリとなんとなくは止められない

『ぎーにゃー』

「…………」

『悲鳴』

 何も聞いてねぇよ。分かってたから。だから二人して視線と簡単すぎる説明を寄こすな。

 純だ。

 俺の後ろでゆうと忍が横に並ぶ、と言う格好で下校中。

 昨日からの雨がまだ降り続いてる。雨は好きだけど、その中を傘差して歩くのは好きじゃねぇや。足元濡れるんなら、全身濡れたい。もしくは全く濡れたくねぇ。どっちかがいい。

「なんで今日に限ってこんな土砂降りなんだよぉ」

「お天道様が御機嫌損ねちゃったのよ」

「なんで?」

「忍、自分の胸に手を当てて考えて見なさい」

「……なんであたしが悪いみたいになってんの!?」

 今、傘の柄を掴むふりして誤魔化したけど、手ぇ上げかけたよな?

「じゃあねぇ……」

 人差し指を上に向けてくるくる回してるのは、ゆうがなんか言おうとしてる時の癖だ。何言う気だ。

「お天道様がお隠れになったから、雲の上で召使とか衛兵とかが泣いてんのよ」

 えらく遠いところに居るな、召使や衛兵達。

「太陽死んじゃってるよ!?」

「どーせ後五十億年もしたらお亡くなりになるわよ」

 冷めてんな。五十億年後なんか生きてねぇもんな。転生した先がどこなのかによるが。

「その前に地球がお亡くなりになります!」

「その前に地球の生物が滅びるな」

「火星に逃げるもん。多分」

「その火星もすぐ駄目になるわよ」

 駄目になるとか言うなよ。

「えぇー……冥王星!」

「住めないでしょ」

「思いついたから適当に言ってみた」

 だろうな。出来るだけ太陽から遠い所って考えてそこに行きついたんだろ。

「アンタレス! ……だっけ? さそり座のアレ。赤い奴」

「足付かないわよ」

 ガス体だもんな。

「金星!」

「太陽に近づいてるわよ!?」

「水星!」

「余計に近づいてるじゃない!」

「明星!」

「それ金星!」

「地球!」

「お帰りなさい!」

 あぁ、挨拶は大事だな、って、違うんじゃねぇか?

「スピカ!」

「綺麗な名前ね。何処よ!」

 おとめ座α星。青白い一等星。

「シリアス!」

「シリウスでしょ?」

 似てるけどな。

「ハマル!」

「だから何処よ?」

 牡羊座α星。

「はやぶさ!」

「それは人工衛星でしょ? 星じゃないじゃない!」

「ミネルバ!」

「何処よ?」

 ミネルバは星じゃなくて小惑星探査ロボット。はやぶさに乗っけられてた探査オプション。

「アリエス!」

「星座じゃない!」

 好きだな、牡羊座。

「えぇーっと………………」

 ここまで来てどもんなよ。

「ブラックホーム!」

「黒い家?」

「間違えた。ブラックホール!」

「忍、大丈夫?」

「ちょっと言い間違えただけでしょー」

 拗ねんな。

「ところであたし達、何の話してたんだっけ?」

 とにかく星に関係すること言ってただけじゃ無かったっけ。

「えぇと……どうして今日はこんなに土砂降りなのか、からお天道様がお隠れになって、その前に地球が、そのさらに前に地球の生物がお亡くなりに、って話になって、お亡くなりになる前に別の星に……で、なんでブラックホール?」

 ゆう、よく覚えてたな。

「なんでかなんて聞く必要ないでしょー」

「そうね」

「よし、テメェ等。じゃああえて何故か言ってみやがれ」

『なんとなく』

 さすが忍とその友人。

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