表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
三月も暴走中
39/410

39 ちょっとおせーて?

「純兄ー」

「あ?」

「英語教えて」

「……………………は!?」

 間違いない、明日は雪だ。

 いや、まさかの巨大台風かもしんねーな。非常食あったっけか?

 岳だ!

 今さっきねーちゃんがオレ等の部屋に入ってきて、最初に戻る。

「ちょっっと忍。もうちょっとこっち来い」

「えー? なんで?」

「いいから来い」

「んー。分かった」

 ……大分前に見たんだけど。

 こーゆー時相手がにーちゃん以外の男だったら『なんで』を連発するんだよな、ねーちゃん。

 女でも全く知らねー奴だったらそうすんだけど。

 オレが言っても『なんで』連発ってのはちょっと悲しいな……。これを見るとさ。

「……熱……ねぇな……昨日の頭痛まだ続いてんのか?」

「続いてたら勉強しようなんてしないから」

 確かに。

「…………という事は精神科か?」

「酷いな! 何でそうなるの!?」

 だってねーちゃんが勉強しようとしてるから。

 余にも珍しすぎて。

「何でって……勉強マトモにやろうとしないテメェがやろうとしてんだ。驚かずに居られるか」

「酷い」

「で、何でまた……」

「え、何となく」

 いっつもねーちゃんが何かする時は何となくだよな……。

「…………病院行って精密検「いらないから!」んで?何で英語なんだ」

 確かに。算数……じゃなくて数学って難しいんだよな?

 小学の先生曰く。

「ふぅ、やっと病院から離れてくれた……。何で英語? 何となく」

 また何となくかよ……。

「では無く。珍しく」

 自分で珍しくって言ってるし。

「英語は学校では欠片もやる気無いから」

 え、そんな理由かよ!

「分かった。それは分かる。だから英語はテメェ9割9分9厘ほど聞き流してんだろ?」

 にーちゃんそれで納得するのか!?

 しかも9割9分9厘って殆ど全部じゃねーの。

「純兄惜しい。10割」

 全部かよ! んな訂正いらねー!

「あ、そ。まぁ、アレじゃな」

「うん。アレだから」

「アレって何だよ!」

 あ、声に出てた。

『英語担当の教師』

 そんなに綺麗にハモらなくても。

 ってか先生アレ呼ばわりか……ドンマイ知らない先生。

「アレが担当じゃな……俺も7割がた聞いてねぇ。家で出来るし」

 進〇ゼミなー。

 ねーちゃんもオレも溜めちまってるけど。

 ……あれ?

「家じゃ発音とかは分かんねーんじゃねーの? にーちゃんパソコン使うのは調べ物くれーだし」

「発音? 親父。あの教師は発音悪ぃから。……たまに来る外国人教師のなら聞くけど」

 あー、マリア先生か。

 父さんは……あ、そうか、昔アメリカ行って勉強したとかでぺらぺらだったな。

 っつーか英語の教師って発音悪くてもなれるんだな……。

「はい、とゆー訳でおせーて?」

「別に教えるのはいいけど……何処を」

 こないだねーちゃんのテスト見してもらったけど間違いの殆どがスペル間違いとかaが抜けたりとかだったな……。それで10点も落としてた。もったいねー。

「……発音?」

「何で疑問形なんだ」

 何でもよかったとか?

「これ、ちょっとわかんなくてさ。勘で書く時発音って大切なんだよー」

「勘で書くなよ……単語くらい覚えろ」

「どちらにしても発音は大切でしょ」

「親父は?」

「まだ帰って来てない」

 ……にーちゃん、父さんにやらせようとしたよな、今。

「分ぁったよ……」

「とゆー訳で、ここ、よろしく」

「ここって……agreedか?」

 ……あぐりーど?はい、わからん。

「あ、それで良かったんだ。こっちは?」

「advertise」

 うん、さっっっっっぱり分からん。

「advertise……advertise……advertise……よし、覚えた! 多分」

 多分って付けるなよそこに。

 それにしても……、

 英語ってややっこしそうだなぁ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ