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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、如月を暴走
386/410

386 オカルト部……と言っていいんだよ!

「えぇーっと、何? 頑張れって言っとけばいいかな?」

「俺等吹奏楽部見て来るな。頑張れ岳」

「おれは野球部見てくるー」

「テメー等友達見捨てんのかぁっ!」

 岳だっ!

 修也に奈那子さん、翔にまで見捨てられた!

 部活動見学、今は自由に見て回る時間。オレ達が今居るのは、校舎の一階から二階へ上がる階段の真中にある踊り場。そこで変なのに絡まれた!

 超音波みてーな声の小っちゃい女子。

 兄ちゃんより背ぇ高い男子。

 ポニーテールの可愛い女子。

 でっけーファイル抱えた男子。

 スポーツ刈りの騒がしそうな男子。

 の、五人。どっかで聞いた事ある声なんだけど……誰だろ?

「岳くんだよね! ちょっと来てーっ!」

「嫌です!」

「そう言わずにーっ!」

『頑張れ岳』

 テメー等本当に行くなぁ! 頼むから一人にしないでくれ! こいつ等怖い! 後五月蠅い!

「でも、本当、純吉先輩にそっくりですね。マコちゃんの情報に頼良なくても見つけられちゃいました」

 じゅんきちせんぱい!?

「しののんにも似てないか? ほんの少しだが」

 しののん!?

「純吉センパイとしののん先輩もちと似てっすからねー。この遺伝子、俺も欲しかったっすよ」

「そんな話をしに来たんじゃないでしょう。早く部室に戻りましょう。逃げられないうちに」

 おいファイル野郎! 最後になんつった!?

「そうだね! おいでおいで!」

 叫ぶな超音波!

 だぁー、腕引っ掴まれたまま抵抗できない……だって相手一応先輩だぜ? 流石に殴るの蹴るの捻るのするのはちょっと。

 で、あっさり連行された先は三年五組。……あれ? 四クラスって姉ちゃん言ってたのに。

「よーこそ! オカルト部へ!」

 あぁ! 思い出した!

 こいつ等、姉ちゃんが『雑草みたいな人等』って言ってた奴等だ。

 確かこのキンキン声が針先……先輩。長身の落ち着いてるのが古賀先輩。ポニーテールがえっちゃん先輩。……多分。

「開けるよー」

 ……うん、なんで扉開ける前に『よーこそ』言ったのかちょっと不思議だったんだ。

「おかえりー、捕まえた?」

 あれ。

「岳、そいつ等に遠慮はいらねぇんだよ。嫌なら逃げりゃよかったんだ」

 れれ。

「ふふ、ご愁傷様?」

 何でここに姉ちゃんと兄ちゃんとゆうちゃんが?

「おっまたせー!」

「あー、ホントにお待たせされたよ。帰っていいですかー」

 あれ? 帰ったんじゃなかったのか? 昼飯は?

「兄ちゃん達、何で居んだ?」

「呼んだんです……」

「呼んだだけでよく兄ちゃん達が来たな!?」

「おーい、どーゆー意味?」

 そのままの意味だよ。めんどくさがり屋。

「チョコレート二箱買ってくれるって言うから来たんだよ。あたしは」

 ………………納得。

「アイス奢ってくれるんだとよ」

 ……兄ちゃん、冷たいモノ好きよな。冬なのにアイス?

「私は純くんに付いて来ただけよ。でも、コンビニのパフェ奢ってもらうわよ」

 ゆうちゃん、ひょっとして奢り目当てじゃねーのか。

 まぁ、オレに言えることは一つだ。絶対この三人、選択肢の中で一番高いの要求するぜ。

「えっとー、あれ? 部活見学に来た子にって、何を言えばいいのかな?」

 おい。

「……活動内容、とかではないですか?」

「おー、なるほど、マコちゃんナイス!」

「おいテメェ等。そのやり取り四月にも聞いたぞ」

 そーなんだー。

 …………針先先輩って、アホなんだな、きっと。

「えっとね……普段はまぁ、殆ど何もしてないに等しいんだけど」

「先輩! イメージ悪くしてどうするんですか!」

「そのやり取り四月にも聞いたってば」

 これもか。

「幽霊を引き寄せる術式を書いたり、その協力の依頼をしたりもしてるよ!」

 その協力の依頼って言うのは兄ちゃん姉ちゃんにしてるんだな。よっく分かった。

「幽霊召喚、やって見せるね!」

「四月にやって失敗したヤツな」

「違うもん! 今度は進化してるもん! 今度は凄いから、期待しててね岳くん!」

 今度はって言われても、オレ四月には居なかったし。でもまぁ、見るだけはしてよう。

 紙を用意して(裏紙でもいいらしく、下にした面には英語がびっちり並んでた)、格子状の模様を描く。マス目は九×九。

 で、その中に古賀先輩が数字を入れていく。

「魔方陣ってのは分かるけど、コレ!? 縦横斜めの魔方陣!?」

「まぁ待って、驚くのは分かるよ。でもとりあえず見てて!」

 …………むーん、こんなんで召喚なんかできんのか?

 中央の『41』の上にロウソクを立てて、ちょっと待たんかい。

「危なくないですか!? っつーか学校にこんなの持ってきていいんですか!?」

「あー、それ、四月にしののんに言われた!」

 やっぱ?

「でも大丈夫! 持ってきたわけじゃないから!」

 なら何処から。

「……理科準備室から頂戴した」

 駄目だろ!

 っつーか理科準備室にあんの? ロウソクが?

「岳くん、大丈夫よ。私たちは何も見ていないの。火事が起こったら少し遠い方の階段を使いましょ。そうすればこの人たちと一緒に居た事はバレないわ。口裏合わせしておく?」

 しとく。

「さぁって、集まって来たかな? 幽霊たち?」

 集まるどころか、通りすがりのお爺さんが会釈してっただけ。

「ねぇ、来た?」

「通りすがりのお爺さんとペットの犬だけだよ」

「……ガーン」

 可哀想とすら思えないのはなんでだろーな。

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