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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、如月を暴走
372/410

372 普段そんなに優しくない人が優しいと凄く優しく見える。か、怖い

「わぁっ、綺麗。置物?」

「馬鹿者、和菓子だ。置物なんぞにしていたらいずれ見てられなくなるぞ」

「あぁ、これが!」

「そう、これが」

「あの有名な!」

「有名なのか」

「洋菓子!」

「和菓子だと言っただろう!?」

 ……誰だろ。部隊部屋に第十三部隊では無い誰かが居る。何か部隊長に怒鳴られてるけど。

「あ、こんばんは。純」

「リオ、あれ誰?」

「さぁ? さっき突然やって来た」

「胸章は? 見えなかったのか?」

 何処の部隊か彫ってある筈だけど。照明を反射してたら見えねぇかな。金属だし。

「あぁ、それは見えたよ。第五部隊だ」

 第五部隊……確か、伝令班があった筈。仕事でも持ってきたのかな。

「シェア、貴様は物を知らなさ過ぎるぞ」

「そう? なら、妙羅は働かなさすぎね。体鈍ってるんじゃないの」

 いいぞ、シェアさんとか言う人。もっと言ってくれ。緑茶か何か出すから。

「シェア……あ、第五部隊の部隊長だ。シェア・アイレルさん」

「何で気付かなかったよ。部隊長の胸章は金色だろ?」

 ちなみに、第十三部隊には無いけど、班分けされているとこの班長は銀色。そうでない奴等は銅色。俺等第十三部隊は銀縁の黒。特別なのだと取るか、差別と取るか。

「純ちゃん、和菓子がありますよ。食べますか?」

「はい。ありがとうございます」

 マーリさんが差し出したのは、色とりどりの和菓子が並んだ箱……選べってか。じゃあこの、栗が埋まってる奴貰おう。

 他にも花をかたどった物だの、あんこを求肥で包んだものだのが数個。隙間が開いてるから、何個か食べられた後なんだな。

「妙羅部隊長が買ってきてくださったんですよ。シェア部隊長をおもてなしする分のついでにって」

 置物とか言ってごめんなさい、置物妙羅部隊長。また言った? 事実なんだからしょうがねぇだろ。命令しかしてねぇし。……ところで、

「……ついでの方が多かないですか」

「うふ、そうですね。でも甘いのが苦手な方もいらっしゃいますから」

 どちらにしてもついでの方が多いじゃねぇか。

「和菓子なんかよく食べられるなー。甘過ぎるでしょ」

「緑茶飲みながら食ったら丁度いいんだよ」

 あれ、マーリさん、何処に……緑茶淹れに行ってくださるそうな。どうも。

「舌痺れるでしょ」

「それは無い」

「えぇっ!?」

 そんなに驚く事か?

「そもそも、テメェの味覚はおかしいだろ。否定するつもりはねぇけど、やっぱ変」

「それ否定してるも同然だよ? 辛い物好きの何処がおかしいのさ」

 テメェの辛い物好き度がおかしい。何が悲しくてクッキーを生の唐辛子と一緒に食ってんだ。

「じゃあ、そろそろお暇するわ。和菓子、ご馳走様」

「あぁ。また時間があったら好きな時に来い」

「そうする」

 母さんや秋さんと同じくらいの年だな、外見は。死ぬ前が人間でなかったら年の取り方違うからよく分かんねぇ。

「おい、純は居るか?」

「はい?」

 折角丁度マーリさんがお茶持って来てくれた所なのに。俺の和菓子、取っといてもらおう。仕事だったらまぁたしばらく戻って来れねぇし。

「何ですか? ……あ、和菓子ありがとうございます」

「……貴様から素直に礼を言われると妙な気分だな」

「ん? 嫌味言って欲しいんですか? マゾ?」

「いちいち嫌味を言わんと喋れんのか」

 妙な気分だっつったの誰だよ。わざわざ付け足したのに。

「で、何ですか?」

「あぁ……明日から貴様が中学校とやらを卒業するまで、休んでいいぞ」

「……ん?」

「耳はいいだろう、貴様。聞こえなかったのか? 貴様の世界の時間で、三月十五日が終わるまでは休んでいいと言ったんだ」

 聞こえてるよ。

「一ヶ月以上も?」

「そうだ。上からもそうしろと」

 上……って、何だ。上に何か居るのは知ってるけど、その上って何なんだ。上としか呼ばれてねぇし。

「この数ヶ月、根詰めて働いてただろう? その分の休みだ」

 その分、っつっても半分以下だけどな。

「と言うか、貴様、休むつもりで働いていたのではないのか」

「まぁ……十六日から一ヶ月、のつもりだったんですけど」

 何で知ってんだよテメェ。

「精々生命保存期間最後の一ヶ月を楽しむ事だな」

「違います、一ヶ月と四日です」

「…………どちらにしても、以上だ。あぁ、ちなみに貴様がずっとやっている……レイチェルだったか? 魔女が異世界を渡った場合は他の者を向かわせるから、心配するな」

「はい。……ありがとうございます」

 一ヶ月と四日、夏休み並みの長さじゃねぇか。元々考えてたのより四日も長いし。休むために何だかんだへ理屈ごねる必要もねぇし。……うっわぁ、すげぇ嬉しい。上に誰が居るのかともかく、感謝しとこ。

「良かったね。俺も欲しいなー、長期休暇」

「リオンちゃんじゃ無理ですよ。だっていっつもサボってらっしゃいますもの」

「えー、いつもじゃないよ? やるときはやるんだから」

「まぁ、是非拝見したいですわ。今度、私の仕事に付き添ってもらいましょうか」

「仕事増やすのは勘弁して!」

 ん、この和菓子旨ぇ。妙羅にも少し感謝しとこう。

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