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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、睦月の暴走
361/410

361 インフルには気を付けよう、今日は二人組

「はー、翔だけならともかく、修也まで休みたぁ、びっくりが止まんねーよ」

「岳くん! びっくりって止まったり動いたりするものなの!?」

『翔だけならともかく』って部分にゃ何の反応も無し? そりゃねーぜー奈那子さんよ。それを言ったオレが言うのもなんか変だけどさ。

「ねぇねぇ岳くん? びっくりが止まらないってどういう状態!?」

「っせー」

「っせー? どういう意味」

「五月蠅いって意味な。…………って、分かれよ」

「言ってくんなきゃ分かんないよそんなの!」

 えぇー? 分かるだろー。

「あ、奈那子さんは馬鹿だったな。悪ぃ」

「今の言葉を謝ろう!」

 やだ。

「しっかしなー。これでインフル原因の休み四人目だぜ。そろそろ学級閉鎖しちゃ駄目か?」

「駄目とか言う問題じゃないでしょ!」

「いやいや、奈那子さん。五人休んだら学級閉鎖らしいぜ。あっとふったり!」

 せんせが『二割が休んだら考える』っつってたからな。このクラスは二十五人だし。…………五年もっと人数多いのになー。

「もう! 岳くん、学級閉鎖なんかになったら、春休みも授業……」

「オレ等卒業だし、それはねーだろ」

 他の学年なら知らねーけどな!

「ん、そーいや、今日光達休みなんだよなー。いーなー」

「妹ちゃん? 四年生学年閉鎖なの!?」

「んーや、学年閉鎖」

「学年!?」

「なんで知らねーの!?」

 昨日から言ってたぜ!? 休みなのは今日からだけど、十分話題にゃなってただろ!

 修也も『いいなー』とか言ってたし。きっと罰が当たったんだな、今日インフルになってんのは。

 ……………………オレも気ぃ付けよ。

「さて」

「ん?」

「何すっかな」

「勉強したら?」

「おめーがな」

「怒るよ!?」

 もー怒ってんじゃんか。

「何だ? 今日は古閑とやるのか?」

 おーい、誰だ、今言ったの。丸聞こえだぜ、小声のくせに。

「なぁ奈那子さんよ。何か期待されてるっぽいぞ」

「何を!?」

 聞こえてなかったのかよ。

「追いかけっこ。オレと」

「ヤダもんねー!」

 ……これ言ったらどうなんのかな。

「すなわち、修也の代役」

「やってやろーじゃんか!」

 マジか!? ……すげー、コイツ。修也の代役だったらなんかあんのか? なぁ、何があるんだ? 頼むから教えて。

「修也の仇ぃ!」

「修也死んでねーよ!? しかもオレ関係ねーだろ、インフルに関しては!」

「……言ってみたかったの」

 ちょっと顔を赤らめて、視線を外して…………。

『キモッ』ってこと言うのはオレのポリシーに反するので、大人の対応をば。

「お前意外と可愛いのな」

「駄目! あたしには修也が居るの!」

 昼ドラ?

「言っとくけど、可愛いと好きってーは別だからな! 知ってた!?」

 あれ、何も言わないのが大人の対応だったんじゃね?

「良いか、ぶっちゃけ可愛いってーのはなぁ……あーゆー子のことを言うんだ!」

 オレが指した先には理絵。もじもじしてても可愛いよアイツは。今度は何か顔覆って蹲っちまったけど。……ごめん。そんなに恥ずかしかったか。

「あぁ~、もしかして岳くん、りっちゃんのこと好きなの!?」

「んーや。可愛いと好きってーのは別だっつったろ」

 今更ながら、女子相手に何話してんだろオレ。

「大体理絵の好みは修也だろ?」

 ……あ、どっかに逃げちまった。ごめん、ほんっとにごめん! つい!

「マジで!? え、りっちゃん修也が……え?」

「フラれてたけど」

「ほっ」

『安堵の息を吐く』って、今の奈那子さんにまさにピッタリだな。

「でもねぇ、修也狙ってる女子なんていっぱい居るって話じゃねーの?」

「何処の話ッ!?」

 この学年らへんの話。ま、いっぱいっつってももちろん一部だけど。

「って、うわ、奈那子さーん。箒振り回すのはあぶねーぜ?」

「何処の話ッ!?」

 どうしよ、この人殺気立ってる。紫と黒が交じった色のオーラが出てる。

 インフルよりこえーぞ、コレ。

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