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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、睦月の暴走
354/410

354 雲を見ながら想像中の四人組

「あー、あの雲、煙みたい」

「翔、せめて形がはっきりする奴探せよ。なんだ、煙って」

 確かに煙っぽいけどさ……うっすらもやもや灰色の雲。

 修也だよ。

 帰り道、奈那子は家が反対方向だから、岳ん家行くのに一回帰ってランドセル置いてきたから手ぶら。

 俺と岳、翔は同じ方向だからまだランドセルは背負ったまま。

 で、その帰り道で、皆揃って何故か空を見上げてる。

 最近雨だったり曇ってたりでずっと空は灰色だったけど、今日は青い所も見える。……授業中に行き降ってたような気もするけどな。

「あ、あれ、バスケットみたい!」

「バスケットボール? なんでバスケットボールなの? バレーボールじゃダメなの?」

「翔くん……バスケットって、カゴの方! フルーツバスケットとかのバスケット!」

 奈那子、その例えじゃ翔の場合『あれって見えるモンなの!?』とか言い出しかねねーぞ。

 あ、言わなかった。

 理由? 言い出しかけた途端、岳が頭はたいたからだよ。まだ言ってないにも関わらず。ドンマイ翔。

「あ、あれ、サンタの上半身みたいじゃね?」

「どの雲? あの灰色の塊?」

 それっぽいのは一個しかないけど……進行方向、ちょっと上らへんに。

「そうそう。横から出てるのはプレゼントの袋でさ、反対側から出てるのは手。多分湯飲みでも持ってんじゃね? 湯飲みを持ったサンタ、横から見た図」

 サンタが湯飲み持って……? 変な組み合わせだな。

 サンタがずずっと緑茶すすって『あー、いいお茶』とか言ってんのか? ……似合わないって事は無いな。サンタってお爺さんだし。

「あぁ! 見えなくは無いね! ……でも、サンタ湯のみ持ったままどうやってお茶飲んでるの?」

『湯のみ持たないでどうやってお茶飲むんだよ!』

 岳翔俺のトリプル突っ込み。

「あ、あ、間違えた! プレゼントの袋持ったまま、の間違い!」

「まぁ、分かるよ。何が言いたかったかは分かってたよ」

 うん、翔に同じ。でもなんか突っ込んじゃう、それが六年二組。

「んじゃぁ……雲の形がちょっと変わったから……プレゼントの袋背負って、キセルを持ったサンタ!」

 キセルって……えぇと、パイプに似てるやつか?

「銀〇に出てくる、高杉〇助が吸ってる奴!」

 銀〇見てないし。読んだ事もないし。なんで翔も奈那子も『あぁ!』って言ってんの? 何で分かんの?

「よーするに日本の喫煙道具の一種だよ。修也ちゃん? パイプに似てるけど、あれより煙草入れるところが小っちゃいし、全体的に細長いけど」

「……なんでそんなに詳しいんだよ」

「漫画とアニメで見た。ついでにパソコンで画像も調べた。さらについでに使用方法も。パソコンって便利よな」

 すげぇなお前。漫画やアニメに出てくる小道具一つをそんなに調べるか?

 修也ちゃんはムカつくけど。

「で? それをあのサンタ上半身雲は吸ってるって……ミスマッチ」

「それはオレも言ってて思った」

 思ったのかよ。

「で、ちなみにあの口周りでもやもやしてるのは煙」

「翔くん、なんでそんなに煙好きなの!?」

「だってそー見えるんだもん!」

 煙草ならそりゃ煙も出るだろうけどな。

「あー、なんかまた形変わってね? 今度はあれだ、熊」

 一気に変わったな。人間じゃ無くなった。

 あー、確かに、下のほうに尻尾みたいなのがある。ペタンってお尻つけて座ってる熊だな。ぬいぐるみによくあるポーズ。

「湯のみ持ってる」

「岳くんは岳くんで湯のみ好きだねっ!?」

「だってそー見えるんだもん!」

 翔の真似はしなくていいから。

「んじゃ変えるか」

「燃えてるんだよ。お腹の辺りが。で、手に見えたのがだんだんもわもわしてきたから、あれは煙」

 翔……何があった!?

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