35 ころろ~ん
ころろ~ん~、ころろ~ん~。
あう~、目が回って気持ち悪い~。
ひ~か~り~で~す~。
学校から帰ってきて宿題してやることが無くなったからころろんしてるのです~。
死神トリオ今日帰って来るはずなんだけどな~。
ころろ~ん~、ころろ~ん~。
はうぅ~、目が回ったよ~。
「ひぃねぇっ!」
「わ~!」
ころころころころころ~。
「天ちゃん~。お帰り~」
いきなり体当たりなんてしてくるから部屋の隅っこまで転がっちゃったよ~。
「光ねぇっ! ただいまだぜー!」
「……ただいま」
「剣くんも斬くんもお帰り~」
何で窓から入ってくるのか教えてくれたら嬉しいな~。
「そういえば~、用事ってなんだったの~?」
聞いてないんだよね~。
一方的に言って一方的に話きられちゃったから~。
「え? 入学試験」
「……はい~?」
空耳かな~?
入学試験って聞こえたような~。
「だから、入学試験だって!」
「天ちゃんなら分かるけど~、剣くんと斬くんも~?」
「うん」
あれ~?
私の記憶が正しかったら皆一つずつ年が違ったような気がするんだけど~……。
「教師をちょっと――――して俺等も受けられるようにしたんだ!!」
……教師をどうしたって言ったの~?
なんだかいや~な予感しかしないんだけど~……。
「いや、だから教師をちょーっと脅して……」
「脅すって~! 何したの~!?」
「え~っと……斬のクスリを目の前で動物実験させて次はお前にかけるぞって言ったり、校長の浮気現場を撮って奥さんに見せるぞって言ったり、裏で金受取って色々やってる奴の証拠テープを作ってばらすぞって言ったり、剣が水を頭にすっぽりかぶせて首を縦に振るまで放置したり、私の鎌で脅したり……」
……聞かなきゃ良かった~!
この子達本とに子ども~!?
「ちなみにそれでも受けちゃダメ言う人にはしっかり言ったとおりの事をやった」
うわ~……教師さん~、がんばれ~……。
「有言実行!」
う~ん……この子達受かったら最凶の生徒になることは間違いないね~。
「光ねぇ、さっきまで何してた?」
さら~っと話題変えたね~、この子~。
「ころろんしてたよ~」
「何だ? それ」
「床の上をころころするだけ~」
この部屋畳だから気持ちいいんだよね~。
目が回ることを除けば~。
「ころろん」
剣くんさっそくやってる~。
やったこと無かったからかな~?
ころろ~ん~、ころろ~ん~。
「……目、回る」
「天井が回ってる~」
天ちゃん~、それは目が回ってるんだよ~。
ころろ~ん~、ころろ~ん~。
「ただいまッ!」
あ~、岳お兄ちゃん帰って来た~。
「お帰りッ! ただいまッ! 岳にぃ!」
「わぁっ!?」
剣くん速いな~。
あっという間に岳お兄ちゃんの所行っちゃった~。
「岳お兄ちゃんお帰り~」
「お帰り、ただいま、たけにぃ」
「……お帰り、ただいま」
「た、だ、い……ま」
岳お兄ちゃん~……。
剣くんの頭突きもろに受けちゃったんだね~。