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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、睦月の暴走
348/410

348 遊んでるわけではないんだよ?

「は~い、じゃあ今日から二時間、子供達に送るようなバースデーカードを作ってもらいま~す」

 せんせーい、そんなの習って、いつ使うんですかー。あ、そんなのって言っちゃった。

 忍でーす。

 学校でーす。二時間目、家庭科の時間でーす。

「厚紙と折り紙配るので、好きにやってください」

 先生めちゃ楽だな。材料渡してご自由に?

「え、折り紙配るって、え? 丸々一袋!?」

 え? あ、本当だ。

 先生から渡された、後ろに回す分も含めて六袋。

 十六色十六枚入りの奴。

「残った分は卒業式とかそんな感じのに使ってね」

 その頃まで何人残したままにしてられるだろう。

「ひゃー、先生太っ腹!」

 デブ! ……じゃないけどね、むしろ細いけどね。おばあちゃん先生。

 さて、どうしようこれ。

 カード作った事無い、ってことは無いけど……苦手なんだよなぁ。こういう飾ったりするの。シンプルイズベスト! うん、いい言葉だ。

 飛び出す仕掛けは知ってるけど、何が飛び出してくるかが問題だし。バースデーケーキ? 太くて短い円柱に、小さな円錐と細い円柱が立ってる図になっちゃうと思うよ。いっそ展開図描いてやろうか。

 ペーパークラフト! 作ってみてね! …………ダメかな?

 うーん、思いつかないから……折り紙適当に折っておこう。こっちは得意だよ。

 純兄もほら、何面体ができるのかは分からないけど、ユニット……パーツ作ってる。変形ラインって、白い筋もはいってる奴。もう絶対やる気ないよ、バースデーカード。

「忍~、これ折って~! お願い!」

「……教えて、じゃなくて?」

「折って~!」

「ま、いいけどね……。どれ? これ?」

 リラックスしてるクマのキャラクター。の、顔?

 茶色と黄色のを重ねて作るのか……ここを折って、で、ここ折って……たまに切って。

「出来た」

「ありがと~っ!」

 のっぺらぼうが出来ました。そりゃね、あんな円らな瞳や可愛い口、折り紙じゃ出来ないし。

「ねぇねぇ高山さん、ハートって折れる?」

 ありゃ、花上。

「羽付きでよければ。羽切ったらハートになるよ」

 羽無しのハートの折り方覚えたいなー。誰か教えて。

「作って! 四つ!」

「四つ!? ……教えるよ? 簡単だから」

 四才くらいの時に教えてもらった奴だし。そん時にも出来たし。

「うーん、じゃあ、教えて」

「ほいほい。まず、真ん中で半分に折って長方形作るでしょー」

 四つ作るって、クローバーにでもするのかな? ピンクだけど。

「高山妹、これ意味分かる?」

 今度は田中さん? どれー。説明書?

「ここの折り方がよく分かんなくて」

 谷折り線と山折り線が交わってる所かな?

「多分ここを……」

 折りかけの奴かしてもらって、ちょいちょいと折ってみる。

「あぁ! そういうこと!」

「そういうこと」

「ありがとう。あ、ごめんね花山」

「いいよいいよ。高山さん、次は?」

 えぇと、何処まで折ったんだっけ……。

 あぁ、ハートの下の角を作ったところまで。

「高山妹ー、ちょっと、キリンの頭折って。訳分かんね。俺体作る」

 随分中途半端な状態で緑色のキリンの頭を渡されました。

「わかったー、遅くなっても怒んないでね。

 えっと、次はここを開いて潰す。反対側も」

 あ、純兄が多面体組み立て始めた。

「忍ー、前さ、三つ首のある鶴作ってたよな。折って!」

 なっくん、アンタはカードに何を張るつもりですか。怖いじゃん。確かに折れるけど。三つ首鶴。

「後回しになるよ?」

「いいよ別に」

 じゃあ作っとくだけ作っとくよ。折り紙一枚置いてって。

「最後に角をちょっと折って丸っぽくしたら出来上がり」

「分かった、ありがと!」

 どういたしましてー。

 で、何だっけ。キリンの頭か。

 ちょいちょいちょい、出来た。あと少しって所まで来てたんだね。迅谷。

「…………忍、いる?」

 ん? 何純兄。

「居るよここに」

「そうじゃねぇよ。これ、いるかって」

 おぉ、二十四面体だ。完成したんだ。

 見た目丈夫そうで意外と脆かったりするあれだ。

「いらない」

 純兄ね、どうしようか困るなら作らないの。

 さーて、三つ首の鶴折ろう。

「忍ちゃん! 星の折り方知ってる?」

「大気との摩擦で燃えながら……」

「降り方じゃないの!」

 おぉ、よく分かったね。田中さん。

「でも残念ながら分かりません」

「そっか……」

 ……ってか、どんだけあたしに聞く人多いんだよ!?

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