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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、睦月の暴走
336/410

336 皆さん、ボケてますね

其の一 一月四日、夜の台所にて

「由紀ちゃんからね~」

 由紀ちゃん、凛が大学生だったころの友達の一人

「え~っと~……」

『誕生日おめでとう!

 四十歳? 二倍したら八十歳、びっくり』

 意味も無く年を二倍にされた上、同い年にもかかわらず一つ年を間違われている事にびっくりした凛であった。

 上に間違ったか、下に間違ったか。そこはご想像にお任せを。



其のニ 元旦、神社にて

「そう言えば村田って、なっくんと同じ塾行ってるんだよね」

「それが何だよ」

「塾って遠いの? いっつも帰って来るの遅いってはーちゃんが言ってた」

 と言いながら、一度『変な味』と言って飲むの止めたくせにもう一度甘酒に挑戦しようとする忍。

 飲んだ。やっぱ変な味で顔をしかめる。結局その甘酒はまた純行き。

「はーちゃん? ……あぁ、夏の妹。そういや夏居ねぇな」

「冬くん……おとーさんの実家行ってんの。それより、塾って遠いの?」 

「うーん……歩いて二十分くらいじゃね?」

「えっ、遠っ! それって何分かかるの!?」

「…………高山妹、俺の話ちゃんと聞いてたか?」

 高山忍、2012年初ボケ。



其の三 元旦、山口にて

「よ、香ちゃん」

「あ、良雅くん。あけました~」

「新年の挨拶くらいちゃんとしよ。あけましておめでとう、じゃろ?」

『香ぃー、あけおめねっ!』

「勇気! 菜月!」

 ちゃんとしようと言ったそばから、弟妹はちゃんとしませんでしたとさ。

「あけおめねっ!」

「香ちゃんも乗らんでいい!」

 この日も香ちゃんの笑顔は絶好調。



其の四 多分今日当たり、日本のどこかにて

「姉御、これぁ一体何処に向かってるんですかい」

「え? 行き先龍城が決めたんじゃ……」

「え。そうでしたっけ」

 皐月を後ろに乗せ、龍城が運転するオートバイは夜の道を明らかにスピード違反の速さで走っていた。

「ま、いっか。ゼッタイここに行く! なんての、決めた事無いけん何とかなるわ」

「アバウトっすねー」

「ここに行く! 位でいいんよ。ゼッタイなんかゼッタイ無いんじゃ!」

「姉御、矛盾してます」

 関係ないけど、香とも旅してみたいなと何となく龍城は思うのだった。

 ゼッタイ無いというゼッタイここに行く! ってとこに行ってやらぁ。

 あれ、訳わかんなくなってきた。



其の五 こないだ、辰巳ことたっちゃん家

「もしもーし! 海斗かいと?」

 海斗、たっちゃんの空手友達である。

「初稽古は土曜日じゃんな。何時からじゃっけ?」

『ちょい待って、連絡の紙探すけん』

「頼むー」

 ちなみにたっちゃんの『初稽古の連絡の紙』は、どっかにやっちゃったらしい。

『もしもし』

「もしもーし!」

『……我慢してたけど言う。五月蝿い』

「……ごめん?」

『はい。いいよ。初稽古の時間じゃんな、十二時半から』

「午前?」

『…………何が悲しくて冬の真夜中に稽古せにゃならんのじゃ』

 しかも小学生が。



其の六 日本時間で六日 とある世界のトアル街

「リオ、ここ何処?」

「純、今君地図持ってるでしょ、見てるでしょ?」

「ここが何処か分かんなきゃ使いようがねぇだろ」

「トアルって街だよ。向こうの看板に書いてあるでしょ?」

『向こうの看板』まで軽く五十メートルは離れていた。

 純にそれが見えるはずも無く、と言うか彼は見ようともせずに地図を広げている。

「で、行き先はルアト……ここか」

「あ、あんまり離れてないね……って、これが地図だから? どれ位の距離あるの?」

 地図上の距離は目測ニセンチメートル、縮尺は二万分の一だから……純は質問から3秒経たないうちに答えた。

「四万センチ」

「わかんねーよ」

 リオに乱暴な言葉遣いって似合わねーとか考えてた純でした。

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