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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、睦月の暴走
335/410

335 ダウト

「8~」

『ダウト』

「あぅ~」

 やっぱり。4じゃん。

「9」

「ダウト~!」

「残念」

 本当に9だった。

「うぅ~」

 岳だーっ!

 言わんでも分かるだろうけど、ダウトやってる。

 兄ちゃんとオレと光とで。姉ちゃん勉強してる。今話しかけたらやべーぞ。すっげー怒るぞ。兄ちゃん波に怖ぇーんだぜ。姉ちゃんキレたら。マジ切れは兄ちゃんを超すかも……。

 それはともかく、今、光の手札が持ちきれねーような事になったとこだ。溜まってたんじゃなくて、さっきから嘘吐きまくって『ダウト』言われまくってたから。

「10!」

 本当だぜ? マジだぜ?

 兄ちゃんか光、ダウトって言え! 1枚だけど、増やせるんならそれでいい。特に兄ちゃん!

『…………』

 なんで何も言わねーの!?

「11~」

 3枚かー。

 ……でも、これが嘘ってこたねーだろ。どっぷり持ってんだから。11の3枚くらい持っててもおかしかねーよ。オレ持ってねーし。

「ダウト」

「純お兄ちゃん酷い~っ! なんで分かるの~!? なんで手加減しないの~!?」

「ん、油断大敵ってな」

 兄ちゃんが油断してるとこ見た事ねーよ。それにどっちかってーと容赦ないっつーんだよこれは。

「あぁ~、減らない~っ!」

 光も光だよ。何でわざっわざ嘘吐くんだよ?

 3枚中2枚本物だったじゃねーかよ。

「12」

『ダウト!』

「ん」

 よし、9だった! 兄ちゃんの手札は減らなかったぜ!

 でも……溜まんねぇな。

「13!」

 マジだぞー、まだ手札はあるぜ。

「1~」

「ダウト」

 ……兄ちゃん、光の番はいっつも『ダウト』言ってね? 表情だのなんだの難しいの見て言ってんじゃなくて、光だから言ってるんじゃねぇの?

「ふふ~、今度は本当だもんね~!」

「ん。よかったな、学習能力があって」

「どういう意味~?」

 そういう意味だろ。

 七回くらい連続で『ダウト』言われ続けて、全部嘘だったんだから。

 兄ちゃんの手札が増えた。

 よし、これで今ん所オレ一番! でも油断大敵! 兄ちゃん言ってし。

「2」

 次は3だな……やべ、無ぇじゃん。

 6で代用!

「3!」

『ダウト』

 なんでハモる!? すっげー綺麗にハモってたぜ今!

 チクショー。でもよかった、2枚で。ホント溜まらねぇなおい。

 ……しかも兄ちゃん、2っつって出したの9じゃねーか。あのポーカーフェイスは見破れねーからなぁ。言うのちょっと躊躇っちまうよ。

「4~」

「……ダウト」

 あ、兄ちゃんちょっと躊躇ったよな。

「少しは溜めようよぉ~!」

 光ぃ! なんでわざわざ嘘吐くんだお前は!? 明らかにAからKまで全部持ってるのに嘘ついて、何のメリットがあるんだ!? 今ので兄ちゃんの手札増やせたかもしれねーのに! 1枚だけど。

「5」

『ダウト!』

「ん……溜めようっつったくせに」

 よし、兄ちゃんの手札は減らなかった……何でまた9なんだよ。兄ちゃんの手札9多っ! 三枚目じゃねーか!

 次6だな。6ならあるぜ! さっき2の代用に出した奴が!

 ……いや、ちっと待てよ。6があるってあの二人は知ってんだ。んじゃ、今回はぜってーオレが6を出すと思ってるだろ?

 そんならそれを逆手にとって、4!

「ん? ダウト」

「エスパー!?」

「さっき、2の代わりに出した6にはペンのインクついてたから」

 ……トランプの裏が全部同じ柄なのはなんでだと思ってんだぁっ! 

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