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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
2012、睦月の暴走
331/410

331 あけましておめでとうは神社にて

 紅白は紅が勝ちましたねー! 七年ぶりの紅組優勝だよ!

 今朝は毎年いつもより光の機嫌が良かったよ。うんうん。

 あけましておめでとうございます。

 忍でーす。

 新年明けて、おせち食べて、神社に初詣に来ています。

 兄妹四人と廉也くん、疾風、おばーちゃんと一緒。他の人達は家に居るよ。おとーさんなんかまだ寝てた。

 で、長い行列できてるので並んでます。

「あ~、焼き芋売ってる~!」

「あー、去年も売ってたね」

「旨そー」

 って言って、純兄をじー。なぜなら財布を持ってるからです。

「買っといで。千円あげるから、買えるだけ」

「え、いいの? 廉也くん」

「おぅ」

「テメェ等ぁ、俺には遠慮ねぇくせに」

 純兄は無視しよう。

『ありがと!』

 さぁ買おう!

 七百グラム以上入って千円って書いてある。おぉー。

 その『七百グラム以上』で、四本買えました。

「おいし~っ」

「はい、廉也くん。疾風も食べれる?」

「ちょっとずつな」

「まー!」

 まー? マンマの略とか? 残念ながらご飯じゃありません。

「母さん、焼き芋食べるか?」

「おぉ。旨そうじゃな」

 旨いよー。金色だよ、この中身。

「はい、光。半分」

「わ~い~。……岳お兄ちゃんの方が大きくない~?」

 光、隣の芝は青いとか言うでしょ。そう見えるだけだよ。

「忍、俺のは?」

「えっ!?」

「何驚いてんだよ。何自分だけ一本食えると思ってんだ」

 冗談だよー。はい半分。

 でもおばあちゃん、一人で一本食べてるよね? 一番大きいの一人でペロリだよ?

 あれ!? もう食べ終わってる! 皮の一枚も残ってないよ……。

「この皮おいしいよ~!」

「中身もらってやろーか?」

「それはダメ~!」

 もう茶色い皮部分は手に当る所以外全部食べられて、金色の中身が裸で立ってるんだけど。光の芋。

「甘いねぇ、疾風」

「ま!」

「疾風くん~、旨いって言うんだよ~」

「んまんま、うま」

 お、疾風が『旨い』を覚えた。

 食べ終わる頃には拝殿が目の前に。結構お腹いっぱいになるよね、芋って。

 お賽銭入れて、鈴鳴らして、二礼ニ拍手一礼。神社ですから。

「さ~、おみくじだ~!」

「いえー!」

 ぶっちゃけ初詣ってこっちの方がメインな気がする。あたしだけ?

「あ、忍と純くんだ~。あけましておめでと~!」

「ん、おめでと」

「おめでとー、桜。来てたんだ」

「そりゃ来るよ~。合格祈願、合格祈願! 忍もそれお願いしたんでしょ~?」

 うん。白銀高校受かれーって。ついでに滑り止めの私立受かれーって。

「さ~、質問です」

 うん?

「年が明けて最初にしたことは?」

「寝た!」

『あけましておめでとう』は言ってから寝たんだけどね~。

 はてさて、いつの間に寝たんだろ。朝起きたらベッドの中にいたけど、あたしはそこまで言った記憶がない。

 ……って事は。

「純くんは?」

「リビングで寝やがった妹二人を運んだ」

 睨まれました。

「岳はちゃんと起きてたのになぁ、忍?」

「さ、桜、おみくじなんだった?」

 こういうときは話をかえるに限る。

「これからだよ~」

「じゃ、一緒に行こ」

「お~」

 ……巫女さん忙しそうだ。

 おみくじだけじゃなくて、お守りとかも同時並行で売ってるよー。

「純お兄ちゃん~、百円~」

「オレも」

「あたしも」

「わたしも~」

「ん、光、岳、忍」

 桜さん、何で貴方まで手を差し出してるんですか。

 あれ? ちょっと待って、差し出された手、六本もある。全部右手で六本あるよ?

「あれ? オレ等にゃくれねーのか?」

「あけましておめでとう、清、篠。お年玉くれんのか?」

 あぁ、清と篠か。

「お年玉は年上が年下にくれるものだぞ。というわけで、くれ」

 純兄のほうが誕生日早いから年上だと。あ、じゃああたしも貰わなきゃ。ナイス篠。

「違ぇな。大人が子供にくれるモンだ。残念ながら俺も中学生で子供だから無理」

「純は大人っぽいから大人でよくね? くれ」

 あ、清の手がはたかれた。

「いい音しました~! これは痛いでしょう!」

 なんか桜の実況久し振りに聞いた気がする。

「お姉ちゃん~、見てみて大吉~!」

「おー、良かったねー」

 あたし、一昨年に一回引いたっきりなんだけど、大吉。

 …………

 ほら、今年も吉だった。

 大でも小でも中ですらないなんて中途半端だよ!

 ま、いいけどさ、普通に良いでしょ、吉って! ね?

「わたしも大吉だよ~。おそろいだね、光ちゃん」

「うん~」

「あ、オレ中吉」

 中吉と吉ってどっちのほうがいいの?

「あたしは末吉だ。……チッ」

「篠のチョップ~! 清くんの眉間に突き刺さりました~!」

 チョップって刺さるものだっけ。

 ……眉間を押さえて蹲ってる……声にならないほど痛いんだね。

「岳ー? あれ、岳何処行った……うわっ」

「姉ちゃぁん……凶だった」

 あぁ……そっか、それでそんなに暗ぁくなっちゃってるのか。

「ま、良かったじゃん、大凶じゃなくて!」

「大凶だったんだよ!」

 しまった。余にボソッと『大』を言ってたから聞き取れなかったんだ。

 慰めが慰めにならんかったと。ドンマイあたし!

「みーちゃんだ~! 私大吉だったよ~!」

「美代、吉」

 仲間だ!

「村田くんはなんだったの~? おみくじ」

「小吉」

「……あ~。そうなんだ」

「何だよその反応!?」

 かなり冷めた反応だったね……。

「純くんはなんだったの~? あれ? 純くんは?」

 え……あ、居た。テントのところで甘酒貰ってる。

 で、岳に渡してる。岳はそれを飲んで……舌火傷したな、あの反応は。

 あたし達もそっちに移動。

「純お兄ちゃん~! 私も飲んでみたい~」

「ん」

 あれ? 甘酒渡してる男の人……サンゴの兄ちゃんじゃん。またバイトかな?

 もうバイトの兄ちゃんでよくないかあの人。

「……何か変な味~」

「そうか? 旨ぇのに」

 とか言いながらあんまり一気に飲めない純兄でした。あたし達兄妹皆猫舌だもんねー。

「純兄、あたしもちょうだい」

 ……飲んでみました。熱い、甘い、変な味。

「もういい」

「忍もか」

「純くんはおみくじなんだったの~?」

「引いてない。金無駄」

 ……百円なのに。

「あ、居た居た」

 廉也くんだ。

「おみくじなんだった?」

「凶」

 ドンマイ!

「疾風くんは~? 子供みくじ引いてたよね~」

「大吉」

「だー!」

 運吸い取られてたりして。

「……子供みくじって凶入って無さそうだよなー。ってか、大吉いっぱい入ってそうだよなー。よし、兄ちゃん百円くれ!」

「アホか」

 ばっさり。

あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします!

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