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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十二月なんだって暴走中
329/410

329 ちと騒がしくなりますよー

「にゃーにゃ」

「それ、熊のぬいぐるみだぜ」

「わーわん」

「だから、それ熊だって」

 岳だー!

 従弟の疾風はやてが来たんだけど……。覚えてる奴居るか?

 ほら、さいっしょの最初、第4話から第8話で、カレー作ったことがあっただろ?

 あの時カレーの中にぶち込んだ離乳食。あれを忘れて行ったのがこの疾風だ。ま、99%の奴は覚えてねーだろな。

 一歳半、結構喋るんだなー。

「忍~! ごは~ん!」

 あー、姉ちゃんまだ勉強してたんだ。すげぇ。

 兄ちゃんはそこでルービックキューブやってるってのに。うわ、もうほとんど揃ってる。これはこれですげ。

「純たけ光もご飯よ~」

 なんでオレだけ竹なんだよ! なんで『る』が削られてるんだよ!

「疾風くん~、ご飯だって~」

「はやくん、おいでー、マンマよ、マンマ」

 梨加りかちゃん。母さんの弟、つまり叔父さんの奥さんで、疾風の母さん。

 この人を一言で言うと、若い。まぁ本当に若いんだけどさ、母さんに比べればの話。

「マンマァ!」

 おー、走ってった。あ、こけた。

「大丈夫~?」

 あ、自分で立って、光には目もくれず走ってった。

 ドンマイ光。

「お母さ~ん~。私疾風くんの隣がいい~」

「ん~、じゃあお姉ちゃんの所に座る~?」

「座る~!」

 姉ちゃん何処座るんだろ。どっかに出張?

 ま、いいや。オレはオレん席に座ろ。

 そういや兄ちゃんも何処座るんだろ。兄ちゃんの席に梨加ちゃん&疾風が居るんだけど。

「わー、おでんだー。あれ? テーブルの上に鍋が無いのは……あ、疾風が居るからか」

 疾風の手に届くとこに置いてちゃあぶねーもんな。

「あたし何取ろうかなー」

 オレはじゃがとこんにゃくと人参、あ、卵発掘、ゲット。こんなでいっか。

 どーせセルフサービスだし。また取りにくりゃいっか。

「岳、貸して」

 姉ちゃん、言われなくても貸すってお玉くらい。

 おー、じゃがうめぇ。ほくほく? うん、そんなだ。

 あれ、結局姉ちゃん何処座るんだろ……何の疑問も持たずにあっさり父さんの席……俺の斜め隣に座った。あっさりすぎだろ。

 母さんも自分の席座ったから……後は光の席しか空いてねーな。

『かーんぱーい』

 何か向こう……さっきまで疾風が遊んでたリビングで、山口の婆ちゃんと叔父さんの廉也れんやくんビール飲んでるし。

 何気に兄ちゃん巻き込まれてるし。ルービックキューブは? あ、完成して転がってやんの。

「純、飲むけ?」

「ん? 貰う」

 貰うなよ! 未成年だろ! ……って、夏に良雅くんに言ってたじゃんかよ。あれ? これは姉ちゃんだ。兄ちゃんはなんも言ってなかった。

「飲むな、中学生だろ」

 あ、廉也くん、勧めたくせに兄ちゃんはたいた。

「んじゃ勧めんなよ」

「冗談に決まっとろうが」

「絶対に決まってることは無いって言ったのは廉也くんだろ」

「いつの話!?」

「ん……十何年か前。忍が、廉也くんが言ってたって香ちゃんが言ってたって言ってた」

 滅茶苦茶あやふやだなおい。なんでそんなの覚えてんだよ。

「まぁま、純も十五じゃろ? ちょっとくらい大丈夫じゃ」

「母さん、勧めんなよ」

 婆ちゃん……。

「良雅も十五から飲み始めた」

 そなの? 知っててほっといたんか婆ちゃん!

「岳、岳! おでんの中大変なことなってるよー」

「え?」

 あ。

 兄ちゃん等の方見てたから、卵の黄身が全部汁の中に溶けた……。

「姉ちゃん。黄身だけくれ」

「無理」

 チッ。即答だぜ即答。

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