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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十二月なんだって暴走中
327/410

327 彼等を覚えていましたか?

「おもちー」

「うん、餅だね。おいし」

 忍です。

 今日はおとーさん以外の家族皆、おばーちゃん家でお昼ご飯食べてます。黄粉餅です。

 なんか、餅ついたから食べにおいでーって。餅ついたって言っても、餅つき機でだけど。

 で、従弟妹と叔母さん、神谷、菜美、なっちゃんと一緒に餅です。間違えた。餅食べてます。……って、最初に言ったか。

 ……従弟妹、とか叔母さん、とかってわざわざ言ったのは、覚えている方がどれだけいるのか不安だったからです、はい。

『…………』

 しっかし、何て静かなんでしょうこの居間。

 大人組(純兄込)の方は色々話したりしてるのに、なんで子供組はこんなに静かなんだ!

 理由は簡単、食べてるからです。もぐもぐ。

 食べ終わったら騒がしくなるよー。

「ふー」

「菜美ちゃん~、黄粉ふ~しちゃダメだよ~」

「あーい」

 黄粉散った後なんだけど。光、なんでもうちょい早く言ってくれなかったかな……。

『…………』

 で、また沈黙と。

「ごちそっさまー!」

「神谷もごちそさまー」

 あ、岳と神谷が食べ終わった。

 あたしも後二口くらい。ぱく、ぱく。

「ごちそうさまー」

「ごちそさまー!」

「菜美はまだ残ってるじゃん」

 餅、丸々一個。

「うー……おなかいっぱい」

 お代わりしてたもんねー。入りきらなかったのか。

「なっちゃ~ん~。菜美ちゃんお腹いっぱいだって~」

「どれくらい残ってるの?」

 なっちゃん、口の端っこに黄粉ついてるよー。

「お餅一個~」

「あぁ、じゃあこっちに貸してー。私が食べるよ」

 はいはい、あたしが食器下げるついでに持って行きますよー。光まだ食べてるでしょ。

「のこしてごめんなさい」

 うん、それ言える子って少ないよ。いい子いい子。

 なっちゃんに皿ごと残したの渡して、流し台に食器下げて、さぁこれから何しよう。

 ……と、考える間もなく。

「しのぶちゃん! ボールなげて! アタックするー!」

「あ、あ、神谷も! レシーブ!」

 うん、なんでバレーボール?

「光がまだ食べてるでしょ? それ終わったらねー」

『えー』

 光ー、さぁ早く食べなさーい。無理に詰め込まなくていいから。のどに詰まらせなくていいから。

「たけるくん! ボールなげて!」

 またんかコラ。

「光がまだ食ってるだろー。って姉ちゃんが言ったろ」

 あたしが言ったって事をわざわざ言う必要あるの?

「じゃあ、じゃあ、たかいたかいして!」

「はいはーい」

「神谷もー」

 あたし一人で二人を高い高い出来るわけがないでしょうに。

「じゃあ菜美、菜美は岳にやってもらって」

「たけるくーん! たかいたかいしてー!」

 ……素直でいいわぁ。

「ほい、おいで神谷」

 うわ、重。当然っちゃ当然だけど重い。

 まぁ、高い高い出来ないほどでもないか。

「ほい」

 いっかーい、にかーい、三かーいも投げたら流石にきついです。

「純兄ー」

「俺やったら他界他界になっから」

 そりゃマズい。でも

「流石にそれはないでしょ」

「ん。正直に言う」

 はい、正直にどうぞ。

「今餅と塩昆布に忙しい」

 …………まだご飯中だったのね。

「忍姉ちゃん、もっかい!」

 あーいよ。

 この『もっかい』これから何回続くのかなぁ。

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