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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十二月なんだって暴走中
324/410

324 メリークリスマス、の朝

 んー……寒ぃ。しかも暗い。

 今何時だ? 時計時計。

 五時七分……あぁ、暗いわけだ。

 と言っても、眠くもねぇし、起きるかな。一階に下りてストーブ付けたほうが暖かそうだし。

 純だ。

 起きた。階段下りて、ストーブ点けた。

 ……そらすぐには点かんわな。石油ストーブだし。

 さっさと顔洗って着替えるか。

 がた

 ん、誰か起きたか?

 ぱたぱた

 足音からして光だな。あ、静かになった。

 …………

 ぱたぱたぱた

 また動き始めた。

 光と忍が話してる……って、忍も起きてたのか。今日は早ぇな。

 あ、さらに岳の声が加わった……おいおい、皆起きてんのかよ。クリスマスだからか? プレゼント確認するためにわざわざ起きてんのか?

 そういや、昨日はいつもより早く寝てたな、あいつ等。

「お兄ちゃ~ん~! 純お兄ちゃ~ん~!」

 ん、大分ストーブが暖かくなってきた。

「ん、メリークリスマス」

 これは二十五日につかうのが正解。

「メリークリスマ~ス~! 見てみて~! サンタさん来たよ~!」

「そか、よかったな。何が来た? サンタが着てる服とスイカ頼んだんだろ」

 まっかっかだな。

「どっちも来た~!」

 ……マジで来たのか。

「ほら~、スイカ~!」

 ……よくあるスイカのビーチボール。

 そうだな、本物のスイカなんて一言も言ってねぇもんな……どちらにしても季節外れだけど。

 あれ、でも今ならスイカって冬でも買う事は出来るんじゃ。

 楽に手に入って、しかも安い方を買ったな?

「で~、ほら~! サンタさんが着てた服~! ぶかぶかだしきっと本物だよ~!」

 あ、きゅうにどっか行ったと思ったら、パジャマの上からサンタ服着てたのか。

「あぁ、帰り、サンタ寒かっただろうな。ちょっと来な」

「え~? な~に~?」

「後ろ向け」

「はいはい~」

 よし、この襟にくっついてた『大人用サンタ服 L』って札の紐を指で引きちぎって、札ごと回収。

 片手で襟を直すふりをしながら(でないと何してたか怪しまれるから。面倒な事に)もう片方の手と口で、厚紙でできた札を破いてすぐそこにあったゴミ箱にポイ。

 証拠隠滅。

「これでよし」

「ありがと~。襟直してくれたの~? 言ってくれたら自分でやったのに~」

 自分でやられたらまずいから言わなかったんだよ。

「兄ちゃん兄ちゃん! お早よー」

「ん、お早よ。忍も起きてたんじゃねぇのか?」

 さっきから全然音聞こえねぇんだけど。

「あぁ、姉ちゃんはサンタが持ってきた本読んでる」

 ……あぁ、ちゃんと持ってきてもらえたんだな、狩人シリーズ。

「それよりさ、見てこれ」

 ん? つるつるの紙に黒い文字が書かれた細長い紙……

『毎度ありがとうございます

 12月1日トイニャラス

 ミンテンドー3D○ 1点

 ビーチボール スイカ 1点

 大人用サンタ服 L 1点

 合計 26365円

 お預かり 30065円

 おつり 3700円』

 どこの世界にわざわざレシートを同封するサンタが居るかっ! あぁここに居た。

 何だよこれ。 金払えってか?

「凄くね?」

「……まぁ、ある意味すげぇよ」

「とっとこ」

「ちょい、岳」

「あん」

 もうちょっとこっち来い。光がまだ居るから。

 という意味で手招き。

 なのに、

「……何で光も来るんだ?」

「内緒話なんて酷いよ~」

「…………やっぱいい。悪ぃな、岳」

「や、別にいんだけど。あ、光光! さっき見せ損ねたんだけどさ、見ろよこれ」

 あーあー、もう俺知らね。一応ちゃんとフォローしようとはしたからな。

「サンタさんの馬鹿ぁ~!」

 元はと言えば、サンタが現在進行形で着てる服を貰おう、なんて考えた光が悪い。

 …………っつーことにしといてやろう。

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