32 わっつでぃーす
「これ、何?」
「サンゴだよ~。お姉ちゃんがもらって来たの~」
光です~。
今日はお姉ちゃんもお兄ちゃんたちも遅いから死神トリオとお留守番なの~。
「なっなっ、光ねぇ、コレは?」
「小さい時に岳お兄ちゃんが作った何かじゃないかな~」
いろぉんな色がグチャグチャに混ざった紙粘土の塊なんだけど~。
誰が作ったのかな~?
え~? 私~? まさか~。
「ひーねぇ、コレは?」
斬くん~、こっちに向けないで~!
「カッターだよ~」
刃が出てるよ~!
「ふーん……」
カチカチ、カチカチ、カチカチカチカチカチ
……気に入ったのかな~?
カッターカチカチするのってちょっと楽しいし~。
「ひぃねぇ、これは何?」
「……殺虫剤用意~!」
「さっちゅうざい?」
え~っと~、確かここにあったはず~!
あった~!
「天ちゃん~、それ離して~!」
「分かった」
発射~!
シュ――――ッ
よし~、ゴキブリさんご臨終~。
お姉ちゃんが居たらお経唱えてもらえるのにね~。
「光ねぇっ! 庭の隅っこにこんなの生えてた!」
おぉ~! ホトケノザお花つき~!
「でかした~!」
「え? 何なのこれ?」
「この紫の花をね~」
ピッと抜いて~、出てきた白い所を前の歯で噛んだら~♪
「……あっ、甘い!」
「でしょ~!」
ホトケノザの蜜だよ~。
「……味、しない」
「ん~、じゃあそれは何かに先を越されちゃったのかな~?」
まだ蜂なんて見ないんだけどな~。
「あ、後こんなのも生えてた!」
「捨てて~!」
どくだみなんていらないよ~!
臭いもん~。
「捨てるの? これは何?」
天ちゃん~。
鼻つまんでるなら捨てる理由は分かってるよね~。
「どくだみだよ~。薬とかに使われたりするらし「分かった! 捨てる!」」
早いね~。
薬って出てきた途端走ってっちゃったよ~。
斬くんが微妙に口の端をあげてたような気がするからそれのせいかな~?
「ひぃねぇ、この重いやつ、なーに?」
「辞書だよ~」
「えっ! 大っきい……」
そりゃ~、だって~、それは広辞苑だもん~。
普通のやつより大きくて重いもん~。
……お姉ちゃんがたま~にぱらぱらめくる以外誰も使ってないんだよね~。
これぞ宝の持ち腐れ~?
「光ねぇ! こんなのも見つけた!」
「よもぎ~? お父さんが何か体にいいとか言ってお茶にしてたような気がするな~」
「これが体にいいの?」もぐもぐ
あ~! そのまま食べちゃダメ~!
「うぇ、不味い」
「ウサギじゃないんだから、そのまま食べるなよ」
「ひーねぇ、これは?」
〇Sだね~。
「ここにスイッチがあるから~、ここを押して~」
「わぁっ! 光った!」
あれ~、そっち~?
「すっごい! 何か赤い帽子のおっさんが中で走って跳んでる! このおっさん身体能力すっごい!」
そっちなの~!?
「何が入ってるの?」
「コードとかかな~?」
見たことないからよく分からないけど~。
斬くん~、裏側覗いても何もないよ~。
この反応はかわいい~♪