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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十二月なんだって暴走中
319/410

319 諦めるべき時は諦めよう

「おーい、高山ー」

「はい」

「いや、お前じゃなくて。妹の方」

「寝てるヨー。眠いアルー。寝かせてヨー」

 起きてるだろお前。何で中華風?

 全く……兄の方がちゃんと授業に出てるかと思ったら、今度は妹か……。

 柿の種、あ、間違えた。牡蠣野胤です。

 柿の種じゃないから! 言っとくけど!

「こらー、起きろ」

「安眠妨害って罪状で警察に送り届けてもいいアルか?」

 だから何でアルがつくんだよ。寝ぼけてるのか?

「先生~、忍のそれ、本気寝だと思いま~す」

 あのなぁ、山内。何処の世界にこんなペラペラ寝言を言う奴が居るって言うんだ。

「呼吸がゆっくりで~す。寝てるときの呼吸と同じくらいだと思うよ~」

 いや、そりゃまぁそうだけどね。……高山妹なら演技でもおかしくないかと。

「柿の種、授業は? 無し? 最近こんななのか? 出て損した」

 こらこらこらこら

「高山、何処いく気だ!」

 急に立ち上がったりして……。

「既に眠りの世界へ旅立ってんだろ」

「妹の方じゃなくて!」

 だぁあもう、何で名字で呼んじゃうかなぁ!

「純、だいじょぶだって、どうせ柿の、あっ。柿の種が折れて授業始まるんだから」

 おい海中? 何で途中『あっ』って言っておいて結局柿の種で通したんだ? え?

「せっ、先生! 先生がふがいないから、純がどっか行っちゃうじゃない! べ、別に気にしてないんだからねっ、私は! 忍のためよ!」

 どう高山のためになってるのかイマイチわかんないんだがなぁ。

 ……いやぁ、でもすごいなぁ、高山も。兄妹両方。

 妹は、鈴木の大声がすぐそこでしてるのにピクリとも動かず寝てる、寝てるのか? し。

 兄はクラスのごくごく一部からの殺気をさらりと流してるし。

 来年はこの二人の弟が入ってくるのかぁ……どんな子だろ。

「玲奈さん、玲奈さん、少しよろしいですか?」

「何よ?」

「今の発言……と言うか、いつも言っている事の殆どが、もう純さんに好きだと告白しているようなものかと思うのですが」

 中森、それはトドメと言わないか。高山(兄)にも丸聞こえだぞ、完全に。完璧に。

「中森ぃ、それって今さらアルヨー」

 高山、それは本当に寝言か? いつまでその胡散臭い中国人みたいな話し方するんだ?

「純兄もう気付いてるネ。鈴木に好かれてることくらい」

 …………トドメはこっちだったか。

「えぇ!? マジで!? なんだかんだで結局は鈍い奴なのかと……」

「あのな、夏。マジも何もねぇだろ。あんなあからさまな奴俺だって始めて見たわ。なぁ高山兄?」

「ん」

 顔色変えずに頷いたよ。肯定したな、高山……。

「ねぇねぇ、亮、これって、これって……授業中にカップル誕生!? 凄くない?」

「…………シジミ、小声の意味、知ってる?」

 小声で喋ってるにも関わらず全部聞こえてくるな。

「玲奈ー、大丈夫? 気絶してないか?」

 中谷……・気遣いが出来る奴がいてよかった。

「だだだ、ダイジョブ、ヨ」

 高山妹の寝言がうつったか!?

「よかった~、てっきりそのまま成仏しちゃうかと思った~」

 山内、勝手に人を殺さない。何で成仏なの。

「……で? 高山くん、どうする? こんな可愛い子にクラス全員の面前で告白されちゃったよ? ここで答えないわけには行かないでしょう」

 良かった。飛山見たいな話を進めてくれる奴がいて。

「これ、告白か?」

 高崎、それは先生も思ったが突っ込んじゃダメだ!

「……久し振りにマトモに学校出れたと思ったらこれかよ……」

「大体お前は学校に来ないで何してる……ごめんなさい」

 こ、怖かった……クラス全員ににらまれた……。はぁ。

「ほら! 高山兄! さっさと答えて!」

「ここで答えなきゃ男じゃないアル」

 高山(妹)ほんっとぉおおおに寝言か、それは。

「え、答えにゃ駄目か?」

 当然、と頷く生徒達。あぁー、あの、そろそろ時間が……。

「ん、じゃ、悪い」

『え!?』

 振った。

 皆の期待裏切ったぞこいつ。

「なんで!?」

「嫌いじゃねぇけど、好きでもねぇよ。精々ライクの一歩手前か」

「ちょっと。高山兄。はっきり言いすぎじゃ……」

 それは先生でも思ったぞ。ちょっとそれは……。

「ちゃんと言う事言っとくべきかと思っただけだ」

「あ、はは。あはははは」

 あぁあああっ! 鈴木が逃げてった……。

 えぇいもう、俺は悟った! もう今日、授業は無理だ!

「もういいから、全員で追うぞ!」

 言ったは良いが。

 もう誰も居なかった。

 あ、はは。あはははは!

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