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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十二月なんだって暴走中
311/410

311 ただの休み時間だよ

「玲奈ー、おーい玲奈ー」

「ぴぇっ!?」

 おぉ、ぴぇなんて悲鳴初めて聞いた。

 忍でーす。

 提出してて、さっき返された……と言うか、いつの間にかどーんって教卓の上に置かれてたノート配ってるんだけど、玲奈が受け取ってくれません。

 いや、普通に机の上に置いときゃいいだけの話なんだけどね。

「な、何よ忍っ!?」

「兄に好意を寄せる女の子に興味を持たない妹が……居そうだなぁ」

 どこに居るって言おうかと思ったんだけど。

「べ、別にっ! 別に好きなんかじゃないんだからねっ!」

「今更すぎない?」

「ほっといてよっ!」

 あい分かった。

「忍……何で純は学校来ないのよ? 来てもすぐ帰っちゃうし……」

 帰ってません。そのまま霊界へ行っちゃってます。逝っちゃってます?

 帰ってこないこともあるようになっちゃって困ってるんだよー? こっちだって。

 ……あれ、あんまり困ってない気がする。居なくても大丈夫って事? あれ? 純兄って結局その程度って事? いやいや。……いやいやいやいや、きっとないよ。

「はぁ、私、嫌われてるのかな……」

「なんでそうなるの? 嫌いな奴一人で純兄が不登校になるわけないでしょーに」

 授業だけ受けて休み時間はどっかに消えるよ。その時は。

「ねぇ、なんで来ないのよ?」

「色々忙しいんだよ」

 多分、きっと、恐らく。

「……中学生が授業受けないで何するのよ」

 ……うん、思ったよ。あたしも思ったよ。言ってから。

 それでもなぁ、多分忙しいんだろうなぁ。仕事無きゃ学校来るだろうし。

 いや、たまに、仕事でもないのに霊体になってることあるなぁ。なんでだろ。

「まぁ、そのうち来るよ!」

「……何か隠してない?」

 鋭い。そして、刺さるような半眼がなんか痛い。

「ねぇ、何隠してるのよ?」

「シラナイヨ」

 あ、しまった。これじゃわざとらしい。

「純兄に聞かないと……」

「その純は何処に居るのよ?」

「それこそ知らないよ!」

 絶対あれだよ、異世界か何か行っちゃってるんだよー。だって、昨日も変なおっさん……もといクローズさん追っかけて死神やって来たんだから! そういやあの中に純兄居なかったな。

 あ! しまった! チョコスナック返してもらってない!

 もういいんだけどさ、昨日の事だし。たった一つだったし。

「何やってんだー、お前等」

「なっくーん、純兄知らなーい?」

 巻き込む作戦。やったからと言って何も解決しない。

「知らねぇよ、学校来てなかったんだから。それより、俺の消しゴム知らねぇか?」

 もっと知らないよ。

「海中、あんたって純の幼馴染よね」

「あん? あぁ、まぁ……」

 生まれた時からお隣さんだったもん。

 はいはいしながらケンカしたことあるらしい。純兄の全勝、あたしとは引き分けらしい。おかーさん達曰く。覚えてるわけながろーが。

「純が授業サボってまで行きそうな場所とか、分からない?」

「はぁ? そんな急に言われても……あ、心当たりが」

 あるんだ……。え、あんの!?

「皐月姉んトコじゃね?」

 ここ何処だと思ってんだ。皐月姉居ないよ。

「誰よ?」

「近所の姉ちゃんだった人。あ、こりゃないな」

 気付くのおそいよ。

「じゃ、あっこじゃね? 屋上」

「生徒行けないわよ」

 いや、純兄だったら普通に扉すり抜けられるけどね。

「じゃあ、屋上前の階段!」

「行ってくる!」

 早いな。単純ともいう?

「ねー、なんでなっくん、純兄の行くような場所の心当たりあるの?」

「そりゃー……幼馴染だし?」

「理由になると思ってんのか」

 あたしは分かんなかったんだよちくしょー。なんかヤダ。張り合う必要まるでないけど。

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