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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十二月なんだって暴走中
308/410

308 今日の体育

「はーい、聞いてー!」

 わいわい、きゃいきゃい。

 要は誰も聞いていない。

「ちょっとー、聞いて!」

 わい、きゃい。

 半分くらい聞いた。

「聞・い・て!」

 わ。

 はい聞きました。

「はい、じゃあドッジボール始めるよー」

 ステージ側コートが、1A対2A、遠い側が1B対2Bだよー。

 1Aは一組の名簿前半、1Aはその後半、2A、2Bも二組の名簿前後半。

 忍です。

 今は体育の時間、本来ならペースランニングだけど、雨でグラウンドがぐっちゃぐちゃなので、女子はドッジボールになりました。

 ちなみにあたしは1Bです。高山だから。

 しーちゃんも桜も1B、玲奈は1Aだけど。中谷、山内、鈴木だから。

「はい、八分間! よーい……スタート!」

 ピーッ

 笛ね、これ。

 先生が笛使う所始めてみた気がする。

 体育大会の時に、ハリケーンのコツ教えてた女の先生じゃないよ。その先生は妊娠して今休み。

 代わりに赤土あかつち先生って男の先生が入りました。

「守ってね、忍~」

「いいですか桜さん、ドッジボールで当らないコツは固まらない事ですよーっ!」

 ほら、ほら! 固まってるもんだから、こっちに相手がボール投げてきたじゃんかぁ!

 あれ、しーちゃんが居ないな……早速当ってたりして。

「ねー、飛山とびやま、中谷知らない?」

 しーちゃんで通じるのはいつも話してる人相手だけだからね、その辺に居るような人に聞くときは正しい名前じゃないと聞き返される。

「中谷なら外野よ」

「あ、そっち行ったんだ」

「違うわ、当ったのっ!」

 おー、飛山、ナイスキャッチ。

 外野に回して……あ、ほんとだ、しーちゃんが居る。ボール取ったのもしーちゃんだし。

 取ってすぐ投げる! ドッジボールのコツだよね。地味に難しいけど。

 おー、当った当った。でもボールは敵の手に。

「ボールも一個入れるぞ!」

 ……ほわっつ? ほわい?

 二個も入れたら、ボール目で追うのが難しくなるじゃんか!

 しかも、ボール持ってるほうの陣地に入れるってどうよ?

「せーの!」

 同時に二つ飛んでくるし。あわあわあわ。

「きゃっ!」

 あらら、桜に当っちゃった。

「も~! 何で忍よけるの?」

「そういう……ものだから!」

 遊びって言いそうになって、でもこれ一応授業だからって言う理由でものと言いました。

 競技って言い方があっただろ、あたしよ。

「もぉー、わたし、一回出たらもう二度と入れないんだよ?」

 キッパリ言い切ったね、桜も。

「まぁ頑張れ。あたしだって似たようなもんだ」

 投げるのはどうも苦手です。逃げるのは得意だけど。

 というか、ドッジボールなんか逃げる競技ってなってるし。あたしん中じゃ。

 こんな人少なくないはず。

「高山っ!」

 はい、なんでしょう飛山さん。

「うわっ!?」

 びっくりした、頭のすぐ脇をボールが通り抜けて行った……怖ー。

「ウッソ!? 絶対当ったと思ったのに」

 いや、当ったとしても頭だったから無効だったよ。

 もうちょっとあたしの背が高かったら、肩にあたってただろうけど。

 小っちゃくて良かった。……普段あんまり思わないけど。そしてめったに役立たないけど。

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