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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十二月なんだって暴走中
307/410

307 最近の香ちゃん達

「つ、付き合って下さい!」

「ええよー。コンビニ? 肉まん奢ってくれる?」

「も、もちろん! はぁー、よかったぁ、ありがとぉ……」

「いえいえ、こちらこそー」

 御馳になりますぅー。

 香じゃよ。

 目の前に居る隣の隣のクラスの人、あきらがコンビニの肉まん奢ってくれるそうな。

 百……何円じゃったっけ、とりあえずその分だけ得したわ。

「そうと決まれば、早よ行こう?」

 晶の気ぃが変わらんうちに。

「お、おぅっ!」

 晶の手ぇ掴んで、ダッシュ……うーん、疲れるかな。早歩きにしよう。

「あ、ごめんね、急に掴んで」

「い、いやっ、むしろ掴んでてほしいと言うか……痛かったけど」

「なんて?」

「いやっ、何でもないっ」

 ……ウチ、握力は強いからなー、痛いとか言われちょったんじゃろか。

 むむ、もっとそっとせんと。

 コンビニ行ってる途中で、ふと思った。

「晶、お金持っちょるん?」

「そりゃ、俺は購買派じゃけぇ」

 あぁ、それでかぁー。

「……ちゃんと栄養バランス取れるん?」

「心配してくれちょるん?」

 いや、いつかウチがそうなった時のために情報収集をば。

「だーいじょうぶじゃて。多分」

 こいつに聞くのが間違いじゃった。チッ。

 そんなこんなでコンビニに入りまーす。

「お? 香ちゃん」

「あ、良雅くん。何しちょん?」

「買い食いじゃ、買い食い」

 まだ食べてないのに買い食いって言った。これからするんじゃね。

「あ、あの……香? どちらさん?」

「あ、肉まん買ってくれたんじゃ!」

 早ーい。

「そりゃ、頼まれたし……好きなん?」

「うん!」

 わー、ほっかほか。

「お、香ちゃんにもついに彼氏が出来たか?」

「いや、そんな……。兄さん?」

「んーん、近所の兄ちゃん」

 あ、結局兄ちゃんじゃ。あー、暖かい。

 肉まんが熱い内は、カイロ代わりにするのが一番ええわぁ。

「あ、そうじゃ、良雅くん、こっち晶ね」

「よ、よろしくお願いします」

「おぉ、よろしく?」

 コンビニって、お客さんが入ってきたらすぐわかるよな、だって、ぴぽぴぽーんとか音なるんじゃもん。

 ……今後ろで鳴ったから、言ってみた。

「ありゃ、良雅に香じゃねぇですかい」

『あ、龍城さん』

「……知り合いなん?」

 うん。大親友ー。何でだろ、なんだか一緒に居ると楽しいんじゃー。

「そっちのは、香の知り合いかい?」

「うん、隣の隣のクラスの晶」

 隣のって二回言わなきゃいけないの、たまに間違えちゃいそうじゃね。

「そうかい、彼氏かと思っちまった」

「あっははー、まさかー」

「え!?」

 あれ? 何で晶がびっくりするん?

「コンビニに付き合って、ちゅうこっちゃろ? 肉まん御馳走様!」

「そ、そんな……」

「流石香ちゃんと言うべきかね、まさに魔性の女じゃな」

 やだなー、そんなんちゃうよ? 付き合ってって言われたからコンビニ行くのに付き合ったんじゃ。

「これで今学期五個目の肉まんかぁ、モテるねぃ」

「告ってきた奴全員この道通ったんじゃな……頑張れよ、晶。そう落ち込むこた無い」

 あ、涙目で去って行っちゃった。

「で、良雅くん、何買ったん?」

「やらんよ」

『チッ』

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