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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十二月なんだって暴走中
301/410

301 相変わらずの六年ニ組

「しゅーうやー、ちょ、聞いてくれよぉ」

「何だよ、机旨い?」

 いくら机とおでこがハグしてても、机なんか食わねーよ。

「で、何だ?」

「あんな、昨日な、四人で遊んでたじゃん」

「うん」

「帰ったらな、帰ったらな……」

「溜める必要あんのか?」

 えぇい、突っ込むんじゃねーよ。

「クリスマスツリーが完成してたんだよッ!」

「…………え?」

「だ、か、ら! 帰ったらクリスマスツリーが完成してたんだよ! 飾り付けまで完璧に!」

 オレもやりたかった! 特にてっぺんの星!

 台ねーと届かねーけどさ。ついでにそんな丁度いい台ねーけどさ。

 岳だ。

 昼休み、今日の給食はから揚げだった。ジャンケンに勝って、他の人より一個多く食べる事が出来ただけに、いつもよりもっと旨かった。

 ……でも、昨日のこと、って言うかクリスマスツリーのこと突然思い出して、旨かったの忘れちまったよォー。

「そんだけか?」

「そんだけって言うな!」

「いや、だって……なぁ、奈那子」

「え……、あたしはツリー飾りたいな」

 さっすが奈々子さん、分かってる!

「……まぁいいか。うん、で?」

「え?」

「続きは」

 無い。

 っつったら、話途切れてシーンってなっちまうからぁ……。

「クリスマスツリー飾りたかったぁ!」

「駄々っ子か」

「それさっきも言ったじゃんかぁー」

 うわ、さっきから野菜炒めと格闘してた翔まで『うんうん』とか言って頷いてるし。

 翔……いつまで食ってんだよ、いくら野菜炒め嫌いだからって。

「あーあ、何かなー。なんだろなー」

「岳てめぇ、何ぐだーっとしながら人のリコーダー盗ろうとしてんだ」

 ちぃ、ばれたか。いや、ばれるも何も堂々と盗ろうとしてたんだけど。

 こうなったら、シュパッ! と素早く盗って、シュパッ! と素早く逃げるのが普通だよな。

 逃ーげろー!

 ……うん、続いてんだ、この、毎日恒例おっかけっこ。よく飽きねーなオレ。

「おーにさーんこっちら、手ーのなーるほーぉへ」

「ぶっ飛ばすぞお前!」

「やれるもんならやってみやがれ!」

 ……あれ、何か『空気を読んだらしいクラスメイト』が机退かし始めてるんだけど。

「赤コーナー、高山岳!」

「はい?」

 何言ってんの、こいつ。こいつイコール翔。

「青コーナー、風上修也!」

「は?」

「レディー、ファイッ!」

『ファイッじゃねーよ!』

 何本当に始めてんだよ! 何で試合形式?

「え、だってぶっ飛ばすだのやってみやがれだの言ってたから、これは周りが準備……」

「しなくていい!」

『えー』

 何でクラスの奴全員からそんな声が上がるんだ!?

「仲良き事は美しきかな」

 せんせ、絶対違う。

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