表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十二月なんだって暴走中
300/410

300 ツリーかざろ

「ん。後はどうぞご自由に」

『ありがとー!』

 忍です。

 箱入りクリスマスツリーを純兄が出してくれました。

 箱入り。飾るどころか組み立てさえしていません。そこまでやってくれてもいーのにー。

 誰がやる事になると思ってんの。

「お姉ちゃん~組み立てて~」

 ほら来た。

「上はめ込むのはやったげるから、枝広げるのは三人でやってよ」

『はーい!』

 よし、いい子いい子。はーちゃん、美代、光、妹トリオ。

 上下二つに分かれてるクリスマスツリーって、下半分に上半分差し込まなきゃいけないけど、これ難しい。

 入った! ……と思ったら、横に抜けてるだけだったり。あれ、あたしがヘタなだけ?

 よし、今度こそ入った。

「はーい、枝広げてー」

「行っくよー!」

 はーちゃん、一体あなたはどこへ行くつもりですか。

 何で三人とも、枝広げるのにこんなに必死なんだろ。

「何本広げた~?」

「十本!」

「九」

「私も九本~。はーちゃんの勝ちだ~」

 何本枝を広げるか勝負してたのか……。

「じゃあいよいよー……?」

『飾りつけー!』

 クリスマスツリーって、これが一番楽しいよね。……見るよりも。

「何やろうかな~」

「星!」

 おいおい、ツリートップはやっぱり一番最後でしょー。

「星は最後だよ~。その方が完成~! って感じがするでしょ~」

「最初、モール。……後からやりにくいし……」

 あたしだったら最初に電飾飾るけど。

「とりあえず巻くもの巻いちゃお!」

 はーちゃん、全部まとめたね。確かに巻くものって言うのが一番早いけども。

「見てるだけでいいのか?」

「んー、今年は見てる気分なの。純兄は?」

「いつも俺はやってねぇだろ」

 うん。転がってきたクリスマスボール引っ掛けるくらいだよね。

 ……何でクリスマスボールなんか転がっていくんだろう。

「ひーちゃん家のクリスマスツリー、こんなに大きかったっけ?」

「去年お父さんが買ったの~」

 通販でね。

 天井がまず高くないけど、星つけたら天井まであと数センチってくらいの大きさ。

 ある意味夢のクリスマスツリーだったけど。

 前のクリスマスツリー、幼稚園とか、小学校低学年の頃は大きく見えたのに、小学校中学年位になったら小っちゃく見えてくるから、毎年毎年『こんなんだっけ?』ってなってたんだよね。

 成長期ってすごーい。

「……この小っちゃいプレゼントボックス、何入ってるの?」

 金色の紙で包まれて、さらに金色の紐がかけたれた飾り。あたしも美代みたいに気になって、一回開けた事あるんだ。

 中に入ってるのがただの立方体の発泡スチロールで、すぅっごくがっかりした。

 プレゼントみたいな、四角い立体に四方から、一本の紐をかける方法は分かったけど。って言うか、何回も絞めたり開いたりして、分かるまでやってたんだけどね。

 ……あと、ついでに小っちゃい石埋め込んだ気がする。

「あ~、ボール待て~!」

 何でクリスマスボールが逃げるの? ただのボールよりも転がらないよね。出っ張りあるし。

「ん」

「ありがと~。拾ってくれたのはいいけどなんで投げるの~?」

「なんとなく」

「納得~」

 するんだ。

 投げたボール、ツリーの奥深くに入って行っちゃったよ。

「よーし、全部飾ったからー、星ッ!」

「私やりたい~!」

「……美代も」

「ウチだって!」

 あ、けんか始まった。

『じゃーんけーんポンッ!』

 終わった。

 じゃんけんって便利よなぁ。

『あーいこーでしょっ!』

 またあいこ。

『あい、こで、しょっ! しょっ! しょっ!』

 何回あいこが続くんだ。

「勝ったー!」

「あ~」「む」

 四回か。

 はーちゃんが勝ったけど……

「……届かない」

 だよねぇ。

 飾りも、上のほうあんまりついてないしね~。

「台ないかな」

「お兄ちゃ~ん~」

「俺は台か」

 台探してて、純兄を呼ぶって事は……そうなんじゃない?

「はーちゃん、こっち」

「何?」

「後ろ向いて」

「はーい」

 後ろから持ち上げて……はい、肩車。かたっぽだけの肩に担ぐのも肩車だよね? やっぱ純兄台だ。

「ありがと! 純くん!」

「ん、早くやって。意外と重かったから」

 重いとか言ったげないの。

『かんせー!』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ