30 梅干攻撃!
「……赤い」
斬の感想。
「ふやふやだ」
天の感想。
「すっっっっっっぱぁぁぁぁ!?」
剣の感想。
純だ。
こいつ等が観察してるものは梅干な。
棚の中に入ってるのを見つけて急に観察しだしたからそのままほおって置いた。
ちなみに俺と忍、死神トリオ以外は子ども会の何とかでボーリング行ってる。
「斬と天も食べてみる?」
忍が梅干をもう一個出して言ってみたら、
『……………………』
剣に目を移して……
『いい』
しっかり断った。
「あそ? ふ~ん……ま、ちょっと食べてみって」
で、小さくちぎった梅干を口に突っ込まれた。
「すっぱい」
斬の感想。
「しょっぱい」
天の感想。
リアクション薄いな、こいつ等。
「忍ねぇっ、純にぃっ、何か甘いのないっ!?」
「砂糖、飴、蜂蜜、どれがいい?」
「何でもいーよぅ!」
「じゃあ砂糖で」
どさーっ
「〇$%#★●*&#$!?!?!?」
………………。
「忍、やりすぎだ」
「……やっぱり?」
『剣だから大丈夫だ』
声をそろえて酷いな、こいつ等。
「何で皆オレにはこう冷たいの!? じどうぎゃくたい反たーい!!」
『あのー』
……着物に長い黒髪の幽霊って……。
『すみません』
「どちらさまでしょー? ところで何か謝られるようなことした? あたし等」
『いえ、そういう意味ではなく……てっ!?』ぶんっ
天、危ないから鎌を振り回すのは外でやってくれ。
『きゃーっ! 怖いよぉぅ!』
チビを怖がる幽霊……コレはめったにお目にかかれないだろうな。
「覚悟ーっ! 水攻だ「まてまてまて! 外でやって!」はーい」
ナイスだ、忍。
『ちょっ、助けて下さいよッ!』
「え、そんなこと言われても……なんであんた襲われてんの」
『知りませんよッ!』
「……成仏、しろ。そうしたら襲わない」
襲いようがないしな。
『え、じゃあ成仏したらいいんですね。それでは』
あ、消えた。
……なんだったんだ。
「……天、剣、他の奴が居る。外」
「あーいよっと!」
「分かった」
「純兄、カメラ何処だっけ?」
「何に使うんだ」
何処にも使う要素ないだろ。
「世界初の死神写真とる」
「普通写真に写らないのが霊とか死神とかだろうが」
「……あ、そっか」
そんな残念そうにしなくても。
「居たッ!」
『わーっ! 何々!?』
「くらえーっ! 梅干こーげき!」
『わあっ!』すかっ
……いつ梅干を。
しかもすり抜けてるし。
「馬鹿! 霊がんなモン食べられるわけないだろう!」
「しまったぁっ!? ……と見せかけて!」
見せかけて?
「水攻弾!」
『何なんだよーっ!?』
消えた……けど。
見せかけても何もねぇじゃんか。
「結局あんたは何がしたかったの」
「え……梅干攻撃?」
それだけか!?