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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十一月でなくとも暴走中
294/410

294 麻婆豆腐にさらに辛味をつける人のお話

 はぐはぐはぐはぐ、はぐはぐはぐはぐ

「・・-」

 うん、大体分かったぜ。『うめー』か『うまー』だ。

「おいしーよ、おばさん」

「どっさり唐辛子やらからしやらかけて食べる人に言われてもね~」

「元がおいしくないと、調味料かけてもまずい。だからおいしーよ」

「ふふ~、ありがと~」

 岳だ!

 兄ちゃんの友達? の、リオンさんが、何でウチで飯食ってんだ。

『麻婆豆腐って言ったら何か来た』ってにーちゃん言ってたけど……。

「なぁ、姉ちゃん」

「ん?」

「リオンさん、髪長いじゃん」

「うん」

「くくってんじゃん」

「うん。そう見える」

「なのになんで、左右に動きっぱなしなんだ?」

「知らんがな」

 尻尾みたいに見えるんだけど……。

 ほら、犬とかがさ、嬉しい時に尻尾振るじゃん。

 象とかもよく尻尾振ってんじゃん。

 あれのごとく、後ろで一まとめにされた金髪が右へフラリ、左へフラリ……。どうなってんだ。

 暖房はつけてるけど、エアコンじゃねーぞ。灯油のヒーターだぞ。

「ねぇ~、その髪どうなってるの~?」

「どう?」

「何でそんなに動くの~?」

 よし、ナイス光。よく聞いてくれた。

「動いちゃいけない?」

「どうして動くの~? って意味~。それ自分の意思で動くの~?」

「うん。自分で動かす。手みたいに。ほら」

 ちょろっと肩から先っぽが出て来て、ペコリ。

「コンニチハ」

『こ、こんにちはー』

 今のは腹話術だな。もろ自分の口で話してたし。うん。

「リオ、日本語では今の時間、こんばんはと言う」

「分かった。コンバンハ」

『こんばんはー』

 何で律儀にやり直すんだこの人。

「それ、何なの? しっぽ?」

「えーっと……純、約してくれない? ・・・って言うんだけど」

頭尾とうびでいいんじゃねぇの」

 投げやりだな兄ちゃん。

「とーびって頭に尻尾の尾~?」

「ん。多分そんなん」

 多分って。

「リオンくんは何処で日本語覚えたの~?」

 なぁ母さん、何麻婆豆腐に蜂蜜入れようとしてんだ。合うのか? 何か色的に合いそうな気がしないでも無い事無いけど、辛いのに甘いの入れてどーすんだ。

「日本語は純から教わったよ」

「大変だったでしょ、純兄が先生じゃ」

「うん」

 素直にうなずくなよ、おい。

「なんで日本語覚えようと思ったの~?」

「純が、学生時代に「今も学生だぜ」……死神学校生徒の時に」

 言い直した。

「学校で、日本語の何かを書いている事があったんだ。その文字見た時に、日本の文字って綺麗な形してるなって思ったから」

 動機結構単純なんだな……。

「日本語も話してもらったら、そっちにも引かれた。それで教えてもらって……で、飽きることなく」

 今に至ってます、と。

「先生に日本語教える死神も居たのにな」

「分かりにくかったから」

 先生としてだめだろ、それ。

「純兄は何を書いてたの?」

「今読み返しても分からんもの」

「どゆこと?」

「字が汚すぎて全く読めねぇ」

「え、あの文字、汚かったの?」

 あー、あれだ。

 見る人が違えば同じモンでも全然違う風に見られるんだな。

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