292 子どものご飯中は静かか騒がしいかの二択
『……ミルク、何してるの』
『雨宿りですぅ~』
『子猫連れて?』
『私の子供たちですぅ~』
ミルクに子供が居たとは知らなかった。
忍でーす。
外では雨が降ってます。
家の中、あたしの部屋では白猫と白い子猫一匹とコーヒー牛乳みたいな色の子猫が三匹丸まってます。
……ここにいるのは、後でちゃんと掃除しておくからいいとして。
『どっから入って来たの?』
『窓からですよぉ~? 大丈夫ですぅ、ちゃんと閉めておきましたからぁ~』
どうやって開けたの? 普通の窓ガラスよ? 鍵……は、絞めてなかったかもしれないな。
『パパー、この人だーれ?』
『忍さんですよぉ~。ご挨拶して~』
『こんにちはー』
『こんにちは』
可愛い。かわいすぎる。凄く和む。あの、目ぇ細めてる子とかが……。猫っていいなぁ。
おかーさんが猫アレルギーじゃ無かったら絶対飼ってた。
でも、その前に気になることが。
『ミルク、パパなの?』
『そうですよぉ~。それがどうかしましたかぁ?』
『ミルク、オスだったの?』
『知らなかったんですかぁ~!?』
……いや、ほら、勝手に言葉分かる相手の性器確認するのもどうかと思ったからさぁ……。
『パパー、この人、ばかー?』
『雨ん中にほぉり出すぞこの野郎』
『あたちメスだもーん。やろーじゃないもーん』
『パパー、この人、こわいー?』
前言撤回。この子猫共全然和めない。
『ミルク、この子等のおかーさんは?』
『今光さんに猫まんま貰ってますぅ~。ごちになりま~すぅ』
光がどんどんいろんな料理を覚えていくー。いい事だけど。わざと以外で不味い物作らなくなったし。
『パパ、おなかちゅいた』
『すぐにマミー戻ってきますからねぇ~』
何でミルクはパパなのにおかーさんはマミーなの?
『ねぇ、おかーさんて、誰?』
『ロールちゃんですよぉ~』
えぇー……ロールと言うと……
『あ、あのお嬢様な口調の子か』
『そうですそうです~』
『ただいま戻りましたわ』
そうそう、この子この子。第93話参照。
『マミー!』
『ごはん!』
誰だ、今ロイルの事『ごはん』って呼んだ奴。
『はいはい、ちょっと落ち着いてくださいな』
戦争だよね。こういうのって。
あ、唯一白い子猫が踏んづけられてる。
「お姉ちゃん~、この子達どこから入って来たの~?」
「窓からだって」
「開けられたんだ~」
「らしいよ」
「あ、雨やんでる~」
あぁ! 窓開けないで! 寒いから!
『じゃあご飯が終わったら帰りましょうかぁ~』
『そうですわね』
ご飯の時ってホント静かだよね~。あたしもだけどさ。