表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十一月でなくとも暴走中
285/410

285 自由人コンビ、やってきます

「暇だなぁ……」

「龍城、バイクを運転するときは常に周りに注意を配らにゃならんのに、暇とはなんじゃ」

 姉御にんなこと言われる日がくるたぁ思ってもみなかった。

 龍城っす。

 姉御を後ろに乗せて、山口からオートバイで東へ、東へ。

 ここどこか、誰か教えてくれやせんかね。

 地図? あったらここがどこかとっくに分かってる。

 携帯ナビ? あ、その手があった。でも今出しても今更感しかしないんで、結構っす。

「……前方約二十メートルに見覚えのある二人組を発見。どうしやす、姉御」

「突撃!」

「はねればいいっすか?」

「捕まるのは龍城じゃけ、おっけ」

 んじゃあ、はねますか。

「おら」

 おぉ、きれいに放物線を描いて飛んで行ったー……。純って言ったっけ。

「てぇ、おぉおおおい! ホンマにはねんな!」

「許可したのは姉御なんで」

「ホンマにはねる奴があるかぁああああっ!」

 余裕ねぇっすねぇ、姉御のくせに。皐月姉のくせに。

「純兄!?」

 お、起き上がった。純って何なんじゃろうなぁ。肝試しの時、お化けになって飛んでいくのが見えたけど、目の錯覚じゃぁなかったんすねぇ。

「おい、龍城さん、今の俺じゃ無かったら普通に死んでましたよ」

「純じゃ無かったらはねてなかったんで」

「………………」

 あぁ、警戒してる。

「ねぇ、なんで皐月姉と龍城さんがこんなとこに居るの?」

「ぶらり旅? うーん、何て言うか、旅じゃ! 旅! 男のロマン!」

 姉御が男だったたぁ知らなかった。

「あたいのロマン!」

 変えやがった。

「……あそ。龍城さん、仕事は? 警察なんでしょ?」

「クビになって、今は暴力団にお世話になってやす」

「…………何があったの、龍城さん」

 特に何も?

 交番に届けられたお金をちょろまかしてたら、センパイに気づかれて。その他諸々危ない立場に居たもんだからバッサリクビ。

 前に裏路地で暴れてたのを見逃してやった暴力団に誘われて……辞させて正解じゃったなぁ、警察も。

 本当には多分存在しない筈だからご安心を。

「暴力団って言っても、麻薬はやってないんでご安心を」

「なんかそれだけじゃ安心できないがするけど……まぁいいや」

 そうそう、まぁいいんすよー。

「純ちゃん、忍ちゃん、学校帰り?」

「見て分かんねぇか?」

 純は学ラン、忍はブレザー。二人の肩にはカバンがかかってて、どっからどう見ても学校帰りっすね。

「龍城ー、忍ー、純ちゃんが冷たい」

「前からじゃん」「純の言う通りじゃないっすか?」

「忍だけだよ、あたいの味方は!」

 しばらく動かなさそうじゃけエンジン切っとこ。

「純、純」

「何ですか?」

 皐月の姉御は忍となんかやっちょうし(忍に絡んでるともいう)こっちは純と。

「なんで、はねられてそんなにピンピンしてるんすか?」

「なんで人をはねる気になんかなったんすか?」

「姉御の許可が下りたんで。それよりこっちの質問に答えてくれやせんかね」

 肝試しん時から、香ちゃん共々気になってるんすよ、こっちは。

 香ちゃんは、ちょっと話したら興味津々で聞いて来るもんだから困った困った。

「ん、運が良かったんだろ」

 簡単に返しやがりますな。

「まぁ、あとでじっくり聞きまさぁ」

「……あとで?」

 ほら、姉御が言ってるの、聞こえるじゃる?

「今晩泊めてくれない?」

 そう言う事っす。

 何しろ今まで野宿だったもんで。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ