28 いーんですか?
「……あれ~?」
「どったの?」
「あそこに何かいる~」
あそこ、と指されたベランダを見ると……
あ~、何か居るねぇ。
忍でーす。
「何かもやもやしてる~。いつもと違うよ~」
「う~ん、あたしも何か色がついて見える」
今まで景色がもやんってしてただけなのに。
「純兄ー!」
「耳元で叫ぶな馬鹿野郎」
あたしは野郎じゃない!
「あれ何~?」
「……表現しづらい物体」
分からないよ。
「もーちょっと性格に」
「……ホラー映画か何かに出てくる雑魚みたいな物体」
あたしホラー映画見たこと無いんだけど。
精精『パイ〇ーツ・オ〇・カリ〇アン』位だよ。
あれってホラーに入るの?
「もっと性格に~」
「……あ、斬られた」
あ、本とだ、何かきれーに真っ二つになってる。
『何に(~)?』
「……黒い和服のちびっ子?」
何それ。
「ね~、声かけてみて~」
「断固拒否」
……だろーね。
「お~い、誰だお前」
岳……あんた声ちゃんと聞こえないでしょ。
「……うん、分からん!にーちゃん後は頼んだ!」
……なるほど、それが狙いか……。
ナイス岳!
「チッ」
『……話、したくない……なら、しなくていい』
…………、何か聞こえた?
「……ねーちゃん、何かオレ、聞こえたんだけど」
「私も~」
どーやらあたし達も霊的なものと会話が出来るようになったみたいです。
どんどんパフパフー。
「……ところで~、どちら様ですか~」
『…………』
何か黙っちゃった。
いきなり過ぎたのかなー?
突然はダメだよ、光。
『ざーん、どした?』
何か新たに誰か来たようです。
そっちに聞いてみよう。
「どちら様で?」
『え? 見えてんの!? まーいーや。死神様だ!!』
……………………。
パードゥン?
「死神って実在したんだ~」
いや何納得してんの。
「なーな、名前なんてーの?」
いや何話題変えてんの。
「純兄ー? 知ってた?」
「知ってた」
「何で教えてくれなかったの!」
「聞かれなかったから」
なるほど。
ところで、
「さっきベランダにいたホラー映画の雑魚はどーなったの」
「どっか行った」
どっかてどこさ。
「よし! 斬、剣、天だな! おぼえたっ!」
しかも何か増えてない!?
『……斬、剣、どーゆー事か説明あるな?』
『無い!』がんっ
……うわあ、いったそ。
よくは見えないけど、でっかい鎌みたいなもので殴られてたよ。
『……天、落着け』
『……斬に落着けといわれる日が来るとは……』
『……どういう意味だ』
『いや、なんでもない。なんでもないからその鎖しまってくれ』
ちょっと解説。
天……声からして女の子かな? が頭を抱えた直後、何か氷で出来てるっぽい鎖が出てきた。
解説終わり。
「つーるーぎー、だいじょーぶか?」
『ダイ……ジョウ……ブ』
全然大丈夫そうに聞こえないんだけど。
『あ、ところで、あんた等の家、居候OK?』
……天さんは突然ナニを言っていらっしゃるので?
突然すぎてサッパリ訳わかんないよ。
「OKだよ~」
『いつからそこに!?』
おかーさん、心臓に悪いよ。
「おい、親父の了解取らなくていいのか」
「あはは~、大丈夫~。あの人見える人じゃないから~」
いやいや、そー言う問題か?
それ以前におかーさんて見える人だったんだ……。
『やたっ! オレはこの世界の食い物全部制覇してや……ぅぐっ!?』
「あはは~、じゃあ私が作ってあげるね~」
……光、手加減してあげてね。
天、斬、殺さないであげてね。
剣の状態。
氷の鎖で雁字搦めに縛り上げられ、鎌の先端部分が若干頭に食い込んでいる。
そんな状態。
まー、そんなこんなで家に家族が増えました。
…………いいのか!? これで!?
なんとなく思いついたので書きました。死神トリオ。
思いついたら即行動。その後のことは考えない。
どーなるのか私も分かりません(汗)