277 モニター越しでの四人組
ぴーんぽーん
「……うむにゃぁ~?」
ちゃいむかぁ~。
奈那子だよ……。
風邪引いちゃって、朝から寝込んでたんだ……頭がまだ寝て……。
ぴーんぽーん
うぅ~、うゆしゃい。
ママもパパも仕事だからあたしが出なきゃなんないのおかぁ~。無視でいいや。
修也には来ないでって言ったもんね、風邪うつしたくないし……。
うぅ、寂しい。
ぴーんぽーん
しつこいなぁ……。
誰かだけ見ておこ。
「さぶ」
あぁ、あったいお布団、すぐに戻るから待っててね。
モニターのボタンをポチ、というよりもカチッ。
『やっぱり寝てるんじゃない?』
……あれ?
岳くんが映ってる。今のは翔くんの声だったし……。後ろには修也!?
「な、なんで!?」
『あ、なぁんだ、起きてんじゃん! さっさと出ろよな』
チャイムで起きたんだけどね!
『風邪、大丈夫か?』
「修也……大丈夫だよ。だいぶ楽になったもん!」
ずっと寝てたから体が痛いかも?
『そっか……良かった』
「こほっ、こほっ」
『何処が大丈夫だよ!? まだせき出んのかよ』
「きゃうっ!?」
修也に起こられたぁ……。
「ちょっとだけだよ、だから大丈夫」
『ところで奈那子さーん、いつまでモニター越しで話しゃいーんだ、オレ等は』
「だって、風邪うつしたくないし……」
『喉飴とかエク飴とか持って来たんだよ。これくらい渡すくらいなら、大丈夫だろ?』
喉飴と……エク飴! 嬉しい!
エク飴食べたかったんだぁー。修也が来てくれた事の方が嬉しいけどっ!
「ありがとう!」
『飴ばっかだけど……』
「そんな、いいんだよ! 嬉しいんだから!」
あ、修也ってば赤くなっちゃって可愛い~。
『渡しに行っていい?』
あ、翔くん……声はするのにモニターには映ってこないんだなぁ……。
「うーん……ポストに入れてもらえるかな、玄関扉の……」
『ここけ?』
あ、玄関でがさがさって音がする、様な気がする。
「うん、そこそこー。ありがとう! 大事に食べるよ」
『賞味期限切れちゃうよ』
『飴の賞味期限がそう簡単に切れてたまるか』
『でもエク飴の賞味期限『あはっ』って書いてあったじゃん?』
『…………』
だ、大丈夫だよ! エク飴だもんっ!
『……さて、じゃあ帰りますか』
『そうだね、無理させちゃ悪いし』
『……あぁ』
えー、帰っちゃうの? そりゃあモニター越しでそんなに長々と話すような事も無いけど……。
『じゃなー、お大事に』
『お大事にー』
『……お大事に』
「うん、ありがとう」
あぁー、行っちゃった。
エク飴、あと喉飴。取りに行こっ。
ポストの中身引っ張り出して……なんで茶封筒!?
あー、今日のプリント類も一緒に届けてくれたんだ。皆、家反対方向なのに……。
「あれ?」
ちっちゃい紙が入ってる。
『エク飴舐めて早く治せよ! 岳』
エク飴って薬にもなるの?
あ、もう一枚。
『エク飴舐めて吐いたりしないように気をつけて 翔』
吐かないよ! こんなおいしいもの食べて。
あ、もう一枚!
『早く治して学校来いよ! 修也』
えへ、岳くんと翔くんには悪いけど、やっぱり修也のが一番嬉しいっ!