表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十月だってば暴走中
261/410

261 勉強してる人を邪魔するには

「……お姉ちゃんが壊れちゃったよ~、お兄ちゃん~」

「曲がりなりにも受験生じゃん? 今まで勉強して無かった方がおかしんだよ。……多分」

「受験ってそんなに大変なの~」

「ちゃんと習った事覚えていれば、まずⅠ類には受かる」

 ……って聞いた。教師から。

「じゃあお姉ちゃんは~?」

「社会はほとんど覚えてない。理科も一年の方はちょっとあやふや……とか言ってたな」

 純だ。

 忍が昨日から一日の殆どを勉強して過ごしてるもんだから、光が騒ぎ出した。

 ……別に、壊れちゃいないんだけどな。ちゃんと無駄に寝てるし。食ってるし。

「何で今更勉強し始めたんだろ~」

 今更とか言うな。まだ間に合う時期なんだから……どっかの塾の宣伝広告曰く。それは即紙飛行機になったけど。

「白銀に本気で行きたくなったんだと」

「なんで~?」

「俺が知ってると思うか?」

「思う~。だって純お兄ちゃんだもん~」

 光の中で俺は何者になってんだ。

「知らねぇよ」

「岳お兄ちゃんは~?」

「知らねーよ」

 突然勉強しだしたんだから……なんか不気味だな。人の事言えねぇけど。

「気になんなら聞いてみりゃいいじゃねぇか」

「怖くて聞けな~い~。純お兄ちゃんみたいに~……」

 俺みたいに、何だよ。

「話しかけちゃいけない気がする~」

「俺がいつ『話しかけちゃいけないような気がする』状態になった」

「いつも~」

 今話しかけてんじゃねぇか。

「パズルしてる時の兄ちゃんだよな!」

「そうそう~!」

 盛り上がるな。確かにその時話しかけられたくねぇけど……。

「で、姉ちゃんどうしよ」

「お姉ちゃんだから~、飽きたらやめるよ~」

 だろうな。……止めちゃ駄目だろ、勉強。

 ……あれ? お袋が冷蔵庫から、丸い入れ物取り出してる……。

「レアチーズケーキ作ったけど食べる~?」

『もちろん!』

 あ、二階で物音が。

 なんかすごい勢いで階段下りてくる足音が。

「レアチーズケーキあんの!?」

 忍の奴、飽きる前に勉強止めやがった。

「作ったの~」

「おー、おかーさんの手作り」

 ……なんでもう忍と光の手にフォークが握られてんだ?

「早く食おーぜ!」

「岳、ナイフを振り回すな」

「あい」

 分かればよし。

「ね~、お姉ちゃん~」

「んー?」

「何してたの~?」

「べんきょー」

「なんでー?」

「あたしが勉強しちゃいけないの!?」

 だれもそうは言ってねぇし。

「だって急に始めるからびっくりしちゃたんだもん~」

「酷いなー。あたしだってやるよ、勉強くらい」

 めんどくさがってやってなかったくせに。

「……白銀行きたいし」

 へぇ。

「なんて~?」「姉ちゃん、今なんつった?」

「スルーよろしくー。いただきます」

 いただきます。

「召し上がれ~」

「ね~、お姉ちゃんなんて言ったの~?」

「なーなー、聞こえなかったって。もっかい! ワンモアチャンス!」

 何か違うぞ、岳。

「ごちそさま」

『食うの早っ!?』

 いつの間に……。

「あ、忍」

「んー? 何、純兄」

「暗記モノは寝る直前にやった方がいいぞ」

「あーい。分かった」

 ……昼寝するつもりじゃねぇよな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ