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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
三月も暴走中
26/410

26 今日はテストなのです

「しーん、しーん? しーん!」

「んぎゃあああああああああ!!」

「見事な跳躍力! 天井に頭が届きそうです!」

 いや、それ大げさでしょ。

 結構な高さまで飛び上がったのは事実だけど。

「耳いてーだろ! 耳元で叫ぶな!!」

「テメェが返事しねぇからだ」

 純兄口調で返してみました。

「っくそ、兄弟なだけあってそっくりだ……」

「まて、あたし等は兄妹。あたしは弟じゃないの」

「よく分かったな!? 字しか違わないのに!?」

「よく言われるもんだから。

で、なーんであたしが呼んでるのに気がつかなかったの?」

 気付いてたら耳元で叫ばなかったのに。

「ふふふ……それはな……「やっぱいいや」聞けよ!」

 何だ、聞いて欲しいのか。

「勉強してたか「桜、今日のテスト何だっけ?」……うぅっ」

 男子が泣いても可愛くない。

「ん~とね~……理科と技術家庭と数学だよ~」

 ふむ、

「清、ご愁傷様」

「まだテスト始まってもねーよ!?」

 だってぇ。

 清→数学が異常なほど苦手

 今回の理科テスト→湿度を計算で求める問題がでる。

 +清はマトモにテスト勉強をしない(あたしもだけど)

 結果→今回は何時もよりも悲惨になる可能性は高い。

「まだやっても無いテストの結果を予言されたくなんかねーよっ!」

「はい、清くーん? 樹形図は書けますかぁ~?」

「書けるからっ! それ位!」

「この問題解けますか~?」

「無理!」

 せめて問題読んでから言ってよ。

「次、湿度をもとめる公式は」

 しーちゃん、突然後ろから出てこないで。

「しつど?何それ」

 ………………。

 唖然。

「と言うのは冗談で」

『本当?』

「ひでぇっ!」

「だったらその頭を何とかしろ」

 ねぇ純兄、何で君は教科書読みながら話聴いてるの。

 どーせなら混ざってよ。

 とか言うあたしの手にも教科書は乗ってるけど。

「はーい、座りなさ~い。テスト配りますよ」



 一時間目、理科終了。

「どーだった~?」

「取敢えずは全部埋めた」

「しーちゃん理科得意だしね」

「うむ、理科『だけ』は得意だ。忍はどうだった」

 何も自分で『だけ』を強調しなくてもいいと思うんだ。

「あたしも一応全部埋めたよ」

 問題は……

「…………」ずぅ~ん

「清君? どうしたの。……あ、テストどうだった~!」

 そんな元気に聞かないであげようよ。

 きっと最後の方の計算問題の公式、その他諸々が分からなかったんだよ。

「聞くな、聞かないでくれ、頼むから、本とに」

「あはは~、純君は……聞くまでも無いね~」

 だって純兄頭いいもん。勉強はしてるから。

 テスト前二週間だけ。

「席に着きなさ~い」



 二時間目、技術家庭終了。

「家庭科ムズイ」

「そのぶん技術は簡単だったかな~」

「……あれ、清が復活してる……あ、そっか」

 清は実技そこそこ出来るからね~。

 丸暗記で。

「清ー」

「テストどーだった~?」

「全部埋めた!」

 理科のときとは凄い違いだ。

「……ただ」

 ん?

「名前を書いたかどうかが怪しい」

 これで書いてなかったら最悪だな。

「理科のほうが」

 そっちか!

「清、次は数学だけど」

「それを言うなぁ!! 純! 頼むから言わないでくれっ!!」

「言った後に言われても」

 そーだそーだー。

「次は数学次は数学次は数学数学数学数学数学……」

 桜、あんたは鬼か。

「んみゃぁぁああああ!!」

「あはは~、面白い♪」

 ……確かに?

『次は数学数学数学数学数学数学数学数学数学数学』

「にゃぁぁぁぁああああああああ!!」

 猫語で悲劇的展開だー!! だね。

 ……ピッタリはまってるような。

「席着きなさ~い」



 三時間目、数学終了。

 教室に一つの死骸が転がっていた。

 ……うん。

「仏説摩訶依般若波羅蜜多心経

観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄

舎利子色不異空空不異色色即是空……」

「出た~、忍の『問答無用、逝きなさい』だ~!」

 いつの間にそんな名がついてたの?

「って! 殺すなコラ!!」

「問答無用!」

「おいっ!?」

 逝かしました♪

 蹴り飛ばしただけだけどね。

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