254 結構だらだらな死神共
一応250と251で、純、リオン、ゾンビが使ってた言葉で話しています。
流石に・・・で書いて訳してると鬱陶しいので、はじめっから日本語に訳します。
霊界、死神第十三部隊の部隊部屋。
……とりあえず、早い話が霊界にある沢山の建物の一つの部屋だ。部隊とか気にしなくていいぞ。
大きさは……二十畳位? 日本の単位になおせばこんなところだろう。
そこに、死神が四人。私とリオン、忍、純だ。
「もうほんっと何なん!? 何で音楽にペーパーテストがあんだよ! いらんわ!」
「丸暗記すれば点取れるだろ」
「役立たん情報なんか詰め込めるか!」
……五月蠅い。
妙羅だ。
とりあえず、どこか静かな場所を教えろ。
いや、五月蝿いのは忍だけだから純か誰かに忍を放り出させればいいのか。
「まぁまぁ、二人とも、落着いて?」
「リオ、騒いでるのは忍だけだ」
あぁ、リオンの言葉で忍が落着いた……やっと寝れる。
いや……忍や純が来るまで寝てたのだが。いつだったか、多分最近、墨で汚されてしまったために真っ黒になってしまった座布団を枕にして。
「忍、どうしたって? 音楽にペーパーテスト? 何の問題が出るの?」
「授業で習った曲の作曲者名とかー。作詞者名とかー。歌詞とかー」
「じゃあ堂々と零点取っちゃえば? 仕事には使わないんだし」
リオン、助言になっていない。
「いや、内申に関わるから受験生としてそれはちょっと」
変なところだけ真面目だな。普段仕事サボったり、仕事先でナンパしたりしている割には。
「まぁ、ぶっちゃけこっちに仕事があるから高校行く必要無いんじゃけどー……いっぺん死んでる訳やし? なぁ純」
「……え? 悪ぃ、栗剥くのにに夢中で聞いてなかった」
栗? 何故に栗? と言うか、あるのか。
「私にもよこせ」
「栗嫌いじゃありませんでした?」
別に嫌いではない。好きだとは言わないが。
「とりあえず口に何か入れたかったのだ」
「……そうですか」
死神の純はちゃんと目上の者には敬語使う。何で人間の時にはしないのかと聞いたら、死神になる前そうだったから、だとか。どう関係があるというのだ?
「なぁ純、お前さー、高校受けると?」
おい忍、私の食べようとした栗を横から取るな。
「ん、一応」
「行くと?」
「うん」
「何で?」
「……さぁ」
「ふーん」
この栗、旨いな。
純、食べてないな。私と忍二人で食べてるから……そろそろ怒るか?
「なぁ純」
「今度は何」
……あ、よく見たら純の奴、自分の分は口の中で剥いている……器用だな。
「お前さ、好きな子とか居らんと?」
「痛」
「何してんの、純」
……おいリオン。貴様はいつから栗を食べていた。
「栗の皮で指刺しただけだ」
「動揺と受け取ってえぇか?」
「良くねぇよ」
「動揺したんか」
「別に」
純、動揺したら小指の先が少し動くの、治した方がいいぞ。それ以外変わらないのはりっぱだが、隠せてない事に変わりは無い。
「純ちゃん、好きな子居るの!?」
「エイラさん、埃が落ちるので天井裏から入ってこないでください」
私の座布団を墨まみれにした上に、埃だらけにしたりなんかしたら、私だって怒るぞ。
言ったのは純だが。
「純ちゃん。好きな子居るの?」
「居ません」
おいエイラ、何故来てすぐに栗に手を伸ばす。
挨拶の一つくらいしろ。主に私に。
「あっそー。純ちゃんがそう言い張るなら、エイラちゃん勝手に調べちゃうからね!」
「貴女日本語できましたっけ」
「えー……忍!」
出来ないのか、出来ないんだな。言語苦手だったな、貴様。
「はい! 純の好きな子、見つけましょう!」
「さっすがエイラちゃんの相棒! 分かってるぅ!」
ぺチ、パス、スカッ
……三回連続のハイタッチ。まるで合っていないがな。
「みょーらーでしゅ! またお仕事はいったでしゅ!」
ミュウか。未理阿アンド霧瑠依のところに行ってたんじゃなかったのか?
「えっとえっとでしゅね。現実世界の、チェコでしゅ」
「エイラ、忍、行って来い」
『りょーかーい!』
……帰りに日本に行くつもりだな、こいつ等。
「逃げるように行きやがった……」
人が珍しく許してやろうとしていたのに。
「ねぇ純、好きな子って、居るの?」
「ん、居るっちゃ居る」
素直だな、妙に素直だな。疑うぞ。
「桃とか、お菊さんとか、ジャックランタンとか……」
「皆お化けじゃん」
「だってお化けの皆は色々くれるから……。この栗も貰いもんだし」
誘拐されるなよ? 今時の子供は『飴ちゃんあげるから付いておいで~』って言っても付いてこないぞ。
「特に口裂け女はべっこう飴くれるから好きだ」
辛党じゃ無かったか、お前。……これはリオンだったか。
「恋愛対象の意味の好きでは?」
「無い」
美人ではあるんだがな、口裂け女。
「じゃあなんでさっき動揺したの?」
「今日学校で同じこと聞かれて。クラスの女子に」
ふぅん? 何度か話に出てきた玲奈とか言う奴か? そういう話を持ち出しそうなのはそいつくらいしか知らん。
「で、普通そういうの気にすんのかなってさっきので思っただけで」
「ふぅーん。純もそう言う事思うんだ」
じゃあさっきのは……それだけ、か。
「恋とか全然分かんねぇ」
「あはは、まだ子供だもんね」
「うん、リオはおっさんだな」
「何だとー?」
六つ違いだろ? ……そこそこ離れてると言えば離れてるか。
「あ、この栗、少し栗ご飯にしようか」
「お願いしますリオ母さん」
「勝手に人の性別を変えないで」
料理が上手い、と褒めているんじゃないのか?