253 スイートポテトを作ろう
「今日はスイートポテト作るよ!」
「材料は~!」
「……さつまいも、キュウリ、トマト……」
「キュウリは駄目っ!」「トマトは駄目~!」
も~、変なもの入れちゃダメでしょ~!
お前が言うな~? 私のはおいしくしようとして入れてるからいいんだも~ん~。
それが不味かったとしても~、失敗は成功の元だからいいんだも~ん~。
光です~。
今日ははーちゃんの家でスイートポテトを作るのです~。
「材料は、さつまいも、バター、砂糖、生クリーム、卵、チョコ、スイカ……」
「スイカあるの~?」
「季節、はずれ……」
「だってあったんだもん」
お~、私の家の冷蔵庫みたいだね~。
「後ねー……まぁ、後は作りながらでいっか!」
「そうだね~」「……うん」
は~い~、まずは~、さつまいもに竹串を刺しま~す~。
コンロの火を点けます~。
炙ります~。
「……それ、焼き芋」
「冗談だよ~」
本当は~、ラップに巻いて~、電子レンジで加熱~。
「醤油入れてみようか~」
「……わさび」
「コーヒー豆とかは?」
夢は膨らむばかりだね~。
……何か違う~。
「あ、できたよ、さつまいも!」
「……竹串、刺すよ……」
さ~どうぞ~!
…………
何の音もなく刺さったね~。
「そこ、さっきひーちゃんが刺したとこだよ。みーちゃん」
「あ……んっ」
もう1か所プスッ
「やらかい」
「じゃあ潰すよ~!」
皮剥いて~、潰して~、砂糖にバター入れて~。
「……さぁ、形無い物入れるならここだね」
「先に卵入れない~?」
「……レシピ、卵黄って……」
「じゃあオリジナル第一弾が卵白だ~。入れるね~」
コツコツ、パカッ。まぜまぜ~。
「生クリームも入れちゃおっか」
「……じゃー」
効果音違う気がするな~。
「……びちょびちょじゃない~?」
「堅くするには~、粉入れればいいんだよ!」
粉か~。小麦粉とか~?
「ホットケーキの粉、あった」
「よーし、ちょっとずつ入れて」
とん、とん
「おっけ~」
混ぜ混ぜ~。
「あ、そうだ、オーブン予熱しとかないとねっ!」
お~、そうだった~。よくはーちゃん思い出しました~!
「何入れよっか……」
「スイカの汁混ぜ込んで見よ~」
『おー!』
…………。
「このスイカ~、黒いよね~」
「黒いスイカって珍しいよねっ!」
「……腐って無い?」
『…………』
やっぱり~?
「流石にこれはまずいよね……」
う~ん、流石にこれは~……。
「山に埋めておこう~」
「何で山?」
ほら~、刑事ドラマとかにあるでしょ~。犯人が何か山に埋めて隠すぞ~って~。
「……土にかえって、いい……と、思う」
後で埋めに行こうね~。
「やっぱりベタに青汁でも混ぜとこ~」
「何処がどうベタなのっ!? 青汁混ぜるの初めてだよ!」
「青汁の粉見つけたの~」
人の家勝手に漁っちゃってごめんね~。
「……つっこめー」
え~い~。
「んー、他は……埋め込むタイプでいっか!」
いいや~。
絞り袋に入れて~。
「何にしようか~、最初~」
「……ん」
お~、みーちゃんすご~い~!
ピーナッツピラミッド~!
「埋め込み~」
遠慮なくどぱ~。ピーナッツスイートポテト~。
「これはどう?」
熟柿ど~ん~! 皮つきでど~ん~!
埋めちゃえ~。
「じゃあ私はココアの粉を埋め込み~」
粉っぽそ~。
他にもいっぱいいっぱい作って~。
予熱完了のオーブンへほ~い~。
「出来た~!」
「食べよ! 確かこれ、あたしのだよね!」
「これ、美代のピラミッド」
凄い偉い人みたいだね~。ピラミッド持ってるみたい~。
『いただきま~す!』
……粉っぽい~。
むぅ~、生地はおいしいのにな~。