25 ざ☆追いかけっこ
わ~。
あ~、光です~。
今ね~、岳お兄ちゃんにリコーダーを貸してもらおうと思って岳お兄ちゃんの教室に来たんだけどね~?
なんだかそーだい(?)な追いかけっこが行われてるんだよ~。
箒片手に岳お兄ちゃんを追い掛け回す誰かさん~、若干顔赤い~。
VS
教室中をまさにひらりひらりと跳び回る岳お兄ちゃん~。
そして巻き込まれないように教室の隅によって見学と言うか観戦~?をしているクラスの人たち~。
+机に向かって宿題か何かの丸付けをする担任の教師さん~。
なんか凄いね~。
「ん? あれ、高山の妹ちゃん? なんでココに?」
あ~、危ない危ない~、用事忘れる所だったよ~。
「岳お兄ちゃん~!」
「へっ? 光?」
良かった~、すぐ気付いてくれた~。
「リコーダー貸して~」
「オメーのは? ぅおっと」
危ないな~、話す時くらい中断すればいいのに~。
「家に忘れてきちゃったの~」
「あ~、醤油ーこと」
それ面白くないよ~?
「いっと、おっと、ほいっと。そらよっ!」
くるくるくるくるくる……ぱしっ
『ナイスキャッチ!』
えへへ~、声をそろえて言われると照れるな~。
「はぁっ、はぁっ、おい、それ俺のだろうが……!」
あ~、本当だ~。
風上修也って書いてある~。
それより修也って人~、息上がってるね~。
「ちょっと、返してっ!」
いや~、これは貴女のでは無いですよ~。
「修也と間接キスとか絶対許さないから!」
いやいや~、そんな事する気さらさら無いですから~。
「奈那子、こっちよこせ!」
「おぉ? 古閑の修也に対する呼び方アーンド修也の古閑の呼び方が変わってる?」
『ぎくっ』
なんて分かりやす過ぎる人たちだろう~。
「とっととととりあえずっ! はいっ!」
くるくるくるくるくる……ぱしっ
ナイスキャッチ~、岳お兄ちゃん~。
「おい、返せ」
「オレらが居なくなった後何て言ったか教えてくれたらな!」
「ちょっ……先生! なんで止めないの!?」
あ~、それは確かにそうだよね~。
普通の教師だったら留めに入るもの~。
「仲良きことは美しきかな」
『何か違ぁう!?』
見事なハモり~。
「チッ……これなら?」
あ~、修也(って人)が岳お兄ちゃんの筆箱取った~。
「あうち、とーられちった」しゅばっ
「なっ!?」
「とーられちった、から取り返した!」
おお~、見事なスピード~。
そっか~、岳お兄ちゃんたま~……にお姉ちゃんの暇つぶし道具として追いかけられてるもんね~。
「チッ」
修也(って言う人)、箒を突き出します~!
岳お兄ちゃんはそれを片手で掴んで~……
「ぅわっ」
『あっ!!』ダンッ
乗ってた机から落っこちちゃった~!!
「あ~、良かった、受身習っといて。にーちゃんに感謝だわ」
そういえば一年くらい前に習ってたね~。
……よく覚えてるな~。
「驚かせやがって……」
「およ? 心配してくれてたのか~、修也君よ」
「っんな訳あるかっ」
「あーりがとよん」
思う存分いじってるね~。
……ところで~、
リコーダーは~?