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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
十月だってば暴走中
245/410

245 いん・きょうと だぜっ!

「うぉーっ! すげー! なんてーか、とにかくすげーっ!」

「すげぇーっ!」

「すっごーい!」

「お前等おんなじこと連呼するの好きだな!? すげー」

 修也だってノッてんじゃんか。

 岳だ!

 清水の舞台から景色眺めてんだ。うん、目に良さそー、緑がいっぱい。

「あ、そういや岳、今日誕生日じゃなかったっけ」

「んぁ? おー、うん、そだった。修也覚えてくれてたんだな!」

 ちょっと感動。

 十月六日な、ちなみに。

「十二になった記念に飛び降りてみろよ」

 オレの感動を返せ!

「冗談じゃねーよ! いきなり死ねと!?」

「大丈夫、生存率は結構高いから」

「そう言う問題じゃねーんだよ!」

「ほらほら」

 ほらほらじゃねーよ!? 何落とそうとしてんだよテメェ!

「飛び降り禁止令って出てんだぞ! 知ってんのか!?」

「そりゃま、事前学習で調べたし」

「じゃあ落とそうとしてんじゃねーよ!」

「ばーか、マジで落とす訳ねぇだろ」

 落とされてたまるか!

「捕まるの嫌だし」

「テメェの問題か!?」

 修也って意外と思った事口に出すよな……。

「あ、でも生き残ったら願いがかなうって。ちょっと飛び降りてみろよ」

「結局落とす気か!? 自分が行けよ!」

「嫌だ。いくらここから飛び降りて死んでも成仏できるからって自殺したら成仏できるわけが……あれ、どっちなんだろうな、これって」

 こんにゃろ。勝手に話変えてんじゃねーよ。

「修也ー! 音羽の瀧行こう?」

 奈那子さぁん、モロに話変えんなよ。

「なぁ翔」

「何?」

「ちょっとお前こっから飛び降りて」

「何で!?」

 よし、オレも音羽の瀧行こっと。

「なぁ翔」

「うー、何?」

「音羽の瀧って何だっけ」

 確か三つあってー?

「ほら、あれでしょ。三つの筋から流れてて、健康、美容、出世の御利益があるんだよ。……健康、学業、縁結びって書いてある資料もあったけどさ……」

「よっしゃ、行くぞ!」

 ……あれ? 確か、三つ全部飲んだらご利益って無くなるんじゃなかったっけ。

 先に思い出してよかったぁー。



「柄ぇ長っ」

 汲み過ぎたら柄杓落としたりして。てこの原理で。

「出世が左端だったよな」

 何で出世すんのか知らねーけど。

「で、右端が健康だっけ」

 もうとっくに健康だけど。

 ……あ、この水うめぇ。

「修也、何の水飲んだ?」

「学業」

「……修也頭いいじゃんかぁ~」

「岳に一回も百ます計算で勝てねぇから……」

 それって学業関係あんのか?

「しょーおー。お前何飲んだ?」

「縁結びを腹いっぱい」

「何で!?」

 学業飲んだ方が良くね? あ、この部分だけ読んだら何かすげぇ。

「なんとなくカップルが身近にいると嫉妬心が」

「お前奈那子さん好きなのか?」

「別に。友達としてなら好きだけどさ」

 結局何がしたかったんだよ。

「次どこ行こっかー」

「そうだなー、あ、確かここに来るまでの途中の坂道」

 偽物っぽい舞妓さんと結構すれ違ったな。

 じゃなくて、

「いっぱい八つ橋試食出来たよな!」

「じゃ、もっかい行こっか!」

『行こう!』

「……ちゃんと買えよ? 失礼だし」

 あい。

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