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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
九月だろうが暴走中
227/410

227 プログラム裏側

「悪いねぇー、高山くん。手伝わせちゃって」

「まるで悪いと思っていないような口調ですね」

「えぇっ、そんな事ないよ?」

 わたわたあたあたしなくていいから、ちゃんと手当てしなさいよっ! 保健室の先生!

 玲奈よ。

 ただでさえ綱引きで怪我した人が沢山居たのに、その手当が全部終わらない内にさっき終わったPTA競技、玉入れで怪我した大人達が何人も……。

 どんなやり方したのよ!? 玉入れでしょ!? どうやって怪我するのよ!

 玉入れの前のハリケーンで怪我した人が居なかっただけ、まだいいわよね……。

 でも、当番でもないのに、保健環境委員の全員が呼び出されるし……じゅ、純まで何か手伝わされてる状態ってどうなのよ!?

 本当に中学校の体育大会? これ。

「いやー、でも高山くん、怪我の手当て慣れてるみたいだねぇー。早い!」

 確かに、そうね。いつ慣れる程怪我の手当てしたのかが気になるけど……。

「口より手を動かせって言うのが口癖の先生居ましたよね、呼んできましょうか」

 淡々と無表情で、手当てしてる人の腕から目を離さずにそんな事言われたら怖いわよ、べ、別に怖くは無いわよっ!? あたしは!

「勘弁して! あの人は僕苦手なんだ!」

「なら早く手当て続けてください。おいこらテメェ、傷口位洗ってこいや」

 せ、先生と生徒で口調が全然違うわね……。

「あと玲奈、テメェもちゃんと手ぇ動かせ」

「あっ、べ、別に忘れてたわけじゃ……」

 無いわよっ!

「はいはい。分かったから早く続き。後二、三人だから」

 ……よく見たら、保健環境委員の人あたししかいないじゃないっ!

「皆どこに行ったの!?」

「障害物競走に」

 皆!? 全員!? そろいもそろって障害物競走に!?

 嘘でしょ……。何より、今まで気付かなかったあたしに嘘でしょ……だわ。

「高山くん!」

「はい」

 あれ……得点係(図書委員)の先生じゃない。

「ちょっと手貸して!」

「一つ切って渡せばいいですか」

「グロいからやめて!」「グロいわよっ!」

 こ、怖いわけじゃないわよ!

「得点の計算ですか? 図書委員だけでできるでしょ」

「めんどくさいって言って、今当番の二年生がサボってるのよ! さっきの障害物競走だって、走り終わった人に得点のカード渡してくれたのは生徒会の人たちなのよ!」

 ふ、不良ねー、二年生の図書委員。

 そして生徒会、雑用係になってるわね……。

「名前、何て言うんですかサボってる奴等」

「え?」

「後でめんどくせぇのが俺に回ってきたという事でシメに行くので」

「それはやめなさい! いえ、本当は行け行けーっ! って言いたいけど立場的に言ったらまずいからやめなさいと言っておくのよ!」

 ……言っちゃってるわよね。言いたい事。

「ん、で。どれですか。あ、玲奈。次学級対抗リレーだから応援席あっちで見てくれば?」

 あ……そうね。あっちの方が見やすいわよねっ。手当ても全部終わったし!

「じゅ、純もそれ終わったら来なさいよ!」

「ん」

 とりあえず、走り始める前に応援席まで行かないとっ!

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