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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
九月だろうが暴走中
220/410

220 応援団のテンション

「高山兄! 何っでお前はいつもいつも無駄に早く来てるのに今日は遅かったんだ!」

 あたしも居たのに華麗にスルーされました。忍です。

 朝学校に来て、教室に入ると。

 普段は空っぽの教室に応援団の皆様がそろっていらっしゃいました。

「……いや、テメェ等が早すぎるだけだな」

 時計を確認。七時二十分。

 おぉ、記録更新だー。何処が遅いんだよ。今までで一番早いじゃんかよ。

 どーりで朝、なっくんに『行こー』って言っても『寝てるー』って返事が返ってきた訳だ。

「何か用か? しんたに? だっけ。団長」

 純兄が人の名前覚えてないとか珍しいー。

「迅谷だ! 濁点が足りない! 点々が足りないんだよ! 何で団長って部分だけは覚えてるんだよ!」

「あぁ、悪かった。じんだに」

「誰がダニか!?」

 ……遊んでるだけか。

 確かに濁点付けれるところに付けたらそうなるねー。

「ん、で、何か用か?」

「よくぞ聞いてくれました!」

 応援団員A……用があるから来たんじゃないの、あんた等。

「高山兄!」

「ん?」

「先週、ムカデでぶっ飛ばされた時に「ぶっ飛ばし返してほしいと?」そうそ――じゃねぇよ!」

 おぉ、応援団B、ノリ突っ込み。

「そうじゃなくて、吹っ飛ばされた後にやってたロンダート、怪我した状態でもできるならバク転もできるよねっ? 応援の自由演技で取り入れるから、教えて!」

 花上、応援団だったんだー。

 ……演技に取り入れる? 今から? 本番今週の土曜日なのに?

『…………』

「何でシケたの!?」

『何かシケなきゃいけないような気がして』

 同じく。

「いらないから! ほんとそんなのいらないからね!?」

「それで高山兄、返事は」

「無視するなぁあああああ!」

『…………』

「そしてシケるなぁああああああ!」

 どうしろと。いや、どうしようもあるけど。

「……いや、なんでバク転できると決めつける?」

『何か高山兄なら何でもできる気がして』

「アホか」

『どーせお前から見たらアホですよーだ』

「開き直るな」

 そして何、その示し合わせたようなハモり方。

「まーいーじゃん。純兄できるでしょ? 練習してたし。近所の空き地で」

「言うなボケ」

 だって事実だもん。

「んでこけて一時腕に包帯ぐるぐるなってたよ」

「言うなって……何、テメェ等。馬鹿にしてんのかその目」

 応援団の皆様、何やら珍しいモノを見るような目で純兄を見ております。

「……いや、お前もそんな時期があったんだなぁ、うん。人間そう簡単になんでもできる訳無いもんなぁ」

 可愛いモノを見るような目に見えてきた。怖い。

あにさん! 教えていただけますか!?」

「まさかテメェそれが俺の名前とか思ってねぇだろうな?」

「違うんですか!?」

 いや、そこ驚くところ? ……上靴のゴムの色からして二年生かー。

「美月、バク転はやっぱりレベル高いよ。今から練習して本番でできる訳無いし……。ほら、兄さんもOKしてくれた訳じゃないし……」

 もう、二年生からは兄さんってしか呼ばれなさそうだなー。

「やっぱ無理か……」

 迅谷、こんな朝早くから来てたんならもうちょっと粘ろうよ。

「誰がいつ教えないと言った」

『教えてくれるの!?』

「誰がいつ教えると言った」

『はぁー……』

 このテンションの上がり下がり凄いな。

「ん、嘘。教えてやるよ」

『ホントッ!?』

 うぉ、びっくりした。

「出来るようになるまでは本気で地獄だぜ? いいのか?」

『もちろん!』

 あーあー、言っちゃった。

「ん」

 あ、何か純兄嬉しそー。応援団、覚悟しといてね?

 純兄が何か教えるときはほんっと怖いから。厳しすぎるから。地獄どころの騒ぎじゃないから。前に前方倒立回転(バク転の逆の奴)なんか教えてもらった時にはもう……。

「んー、でも、俺この足じゃ無理だな。口でしか。んだから、手本は……」

 あれ、なんで人差し指回してるの? 何でこっち見てるの? あたしの後ろだという事を願いたい。

「こいつのになるな」

 ん? 純兄の指した方は……あたしの後ろ?

 振返ってみると……誰も居なぁーい。

 つ、ま、り?

「どこ見てんだよ。テメェだよ、忍」

「あたしできないからね!? バク転とかできないからねっ!? 逆しか! 前向きなバク転しかできないからね!?」

 自分で行ってて思った。前向きなバク転って何さ。ポジティブなバク転か?

「嘘つけ。教えただろ」

「教えてもらってないから!」

「……あれ? 岳だったか?」

 絶対そうだ。あたしはバク転をした記憶は無い。いや、何かかっこいいし、やって見たいけど。

「んじゃ、テメェも一緒に教えるか」

 喜ぶべきか悲しむべきか?

「忍が出来るようになれば俺が楽になる」

 利用される気分になるべきだった。



 オマケ その日の放課後

「……忍」

「何、純兄。応援団とあたしにバク転教えてくれるんでしょ?」

「今日、十五夜だった」

「うん。それで?」

「光等が何もしないと思うか?」

 月見団子!?

 しかも去年と違って今年ははーちゃんと美代と言う二人が増えてる!? さらに不味いと言うか変なモノに!?

「去年の生魚入りみたいな月見団子ヤだよ!?」

「せめて刺身と言ってくれ。とにかく、今日は走って帰るぞ」

「そだねっ」

 ほったらかされた応援団は。

「皆、各自家のパソコンでバク転の動画見てくること!」

 大したダメージは負って無いようだった。

 ……便利な時代になったなぁ。

 爺さん臭い? ほっとけ。

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