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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
九月だろうが暴走中
210/410

210 コーヒー

「コーヒーだ」

「コーヒーだね~」

「……コーヒーがどうしたの?」

 コーヒーがあったんだよ。

 紙パックのやつ。『微糖』とか書かれてるの。

 春だよっ。

 ひーちゃん家でね、コーヒーを見つけたの。それだけ。

「どうしようか~」

『何を?』

「このコーヒー」

 どうかするの!?

「家にコーヒーの紙パックがあるのは珍しいの~」

「ウチん家には常にあるけどなぁ。お兄ちゃんとお父さんが飲んでるよ」

 わっかんないなぁ、なんであんな苦いのが飲めるんだろ。

「……ぶらっく?」

「うん、そのまんま」

「すご~い~! なっくんて実は大人だったんだね~」

 ブラックのコーヒーが飲める=大人

 これって、間違いじゃないよ! ウチ達からしたら。

「純くん飲んでそうじゃん」

「まずコーヒー飲んでるところ見たことないよ~」

「……お兄さん、紅茶派?」

「紅茶は嫌いって言ってた~。臭いがキツイって~」

 美味しいのに! ウチ、ミルクティー大好きだよ!

「あ~、そうだ~」

「……?」

「お兄ちゃん達に飲ませてみよう~」

「実験?」

「ピンポーン~」

 どうなるのかな、どうなるのかな?



「純お兄ちゃん~。岳お兄ちゃんも~。コーヒー飲んで~」

『何を突然』

 ビバ突然! ……なんとなく言ってみたかっただけだよ。

 コーヒーのコップを渡してみると……。

「これ、何か手加えた?」

 岳くんに、すごぉく怖がってるような顔で言われちゃった。

 何か、失礼じゃない!?

「なにもしてないよ!」

「うん……まんま」

「あ、んじゃ貰っとく。サンキューな。ちょーどのど乾いてたんだ、オレ」

 岳くんはあっさり飲み干した! 意外! だってゴーヤ嫌いなんだもん、岳くん。

 関係ないか。

「何で純お兄ちゃんまであっさり飲むの~?」

「何か悪いか?」

『悪い』

 面白い反応を期待してたんだよウチ達は!

「何してんの?」

 忍ちゃん、ドアの隙間から出した顔が生首みたいで怖いよ!

「お姉さん、飲んで」

「コーヒー? ……この中に火薬が入ってて飲んだ瞬間ドカーンなんてことは」

『あるわけないでしょ』

 さすがにそこまではしないよ!

「大丈夫だよ~、何もしてないから~」

「じゃあいただきます」

 あっさり信じるんだな~。岳くんたちもそうだったけど。

「うぇ、やっぱ苦い。牛乳足そ」

 あれ?

「忍ちゃんはコーヒー飲めないんだ」

「……でも、面白くなかった」

 それは確かに。

 ……というか、コーヒーだけで面白い反応する人って居るのかな?

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