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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
八月だけども暴走中
207/410

207 中三集合! 

『さぁ、次はブラスバンド、ザ・ブラスバンドです!』

 まんまじゃねぇか。

 夏だ。

 純が何処行ったか知ってる奴居るか? 忍でも可。

「あ、なっくんめっけた」

「めっけたはこっちのセリフだと思うぞ? 忍」

 ところで、右隣に居る鈴木はわかるけど、そのさらに右隣でクレープ食ってる浴衣娘は誰?

 あ、いや、何かお面だとかヨーヨーだとか持ってるし、どっちかと言うとお祭り娘?

「あのねなっくん。人数の少ない方が迷子って呼ばれるの」

「あのな忍。屁理屈っていうの、それ」

「屁理屈上等!」

 喧嘩上等みたいに言うなよ。

「たか……じゅん、は?」

「純? 今探してるとこ。……あれ、鈴木ってそんな風に呼んでたっけ」

「ほっときなさいよっ!」

 分かった、ほっと……けるかこんな笑いの種になりそうなもん。

「何でだ何でだ~? ほれ、言ってみ。吐いて楽になっちまいな」

「訳分かんないわよっ! 刑事ドラマじゃないのよ!」

 どっかで聞いたのをまとめたんだけど。そうか、刑事ドラマだったのか。

「あたしが頼んだの。だって、あたしも高山だし」

 何だ、つまらん。……いや。

「気の強い玲奈ちゃんがそれに従ったのかぁ、その心は」

「謎かけじゃないのよっ! 従うとか言うんじゃないの! わ、私は友達のお願い聞いてあげただけなんだからねっ!」

「リンゴみてぇ」

「何で顔色見えるのよっ!」

 あぁ、ほんとに赤くなってたのか。周り暗くて見えなかったんだけど。

「あっ、純兄めっけたぁっ!」

 忍、俺を見つけた時と純を見つけた時ののテンションの差は何。地味に哀しいじゃないか。

「純に、玲奈のこと、玲奈って呼ぶんだよ?」

「はぁ? 何を突然」

「別にいいでしょ。桜も篠も名前なんだし」

「いいけど、別に」

 あぁ、何か暗くても分かるくらい鈴木の顔が赤くなった。頼むからは爆発だけはしてくれるなよ。

 ……熱が伝わってくるんだけど。風邪ひいてるんじゃ?

「あ~っ、居た居た、忍ご一行」

「桜、やっぱまとめるんならこれだろ。しじなれみ」

「そんなまとめ方をするのは清だけだ」

 篠、俺もそう思うよ。

「あ、清! それはもしや……」

「あん? 綿菓子がどした?」

「いただきます」

「あぁああああっ!?」

 忍……今、半分も盗ったな、一口で。

「どんな口してんだよお前は!?」

「ほふなくふぃ」

 こんな口、か。なるほど、綿菓子だらけの口か。

 ……あれ?

「おーい、美咲ちゃん」

 あ、シカトされた。ちゃんと言わなきゃダメ?

「おーい、岬! 村田岬!」

「あはー、やっぱ俺の事かよぶっ飛ばすぞテメェ覚悟はいいなコラ」

 美咲ちゃんって呼び方気に入っててつい。

「一人でお祭りとか岬も寂しい奴だなー」

「妹も来てるけどよ……」

「うちと、純とこの妹にとられたんだろ。やっぱ兄貴より友達だよなー」

 忍は例外かと思ったら案外そうでもないし。

「ほら、何かいいことあるよ美咲ちゃんにも」

「うん、俺は男」

「そこには突っ込んじゃだめだ」

「何で!?」

 俺が楽しくないからだ。

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