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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
八月だけども暴走中
195/410

195 皆大好き? 肝試し! になってるか? の巻

「怖いよー怖いよーひーちゃん怖いよー」

「ね~、満ちゃん~。それって私が怖いって事かな~?」

 こんに……間違えた、こんばんは、忍です。

 いったい何がどうしてこうなったのか、純兄と一緒に光、はーちゃん、満ちゃん、なっくんをビデオで撮影しています。

 えー、もう一度言います。何がどうしてこうなったのでしょうか。

 皐月姉にやれって言われたからだけどね。理由は分かってるんだけどね。

「ひーちゃんは何でそんなに落ち着いてられるの!? お墓だよ!? 夜だよ!? お化けとか幽霊とか妖怪とかあとえー……とにかくそんなのがぶらぶらほっつき歩いてんだよ!?」

 不良か、そいつら。

「そんなところを土足で踏み荒らしちょんよ、満達」

「墓に土足で来るのは当たり前だろ」

 純兄、一応隠れてるんだから小声にしてよ。激しく同意するけども。

「ねー純兄、なんであたし達二人でやんなきゃいけないの? これ」

「皐月姉に聞け」

 皐月姉ー、なんでこれ二人でやるのー?

『きゃぁああああああッ!』

 え? 何? 何かあったの?

「はーちゃん~、満ちゃん~、どうしたの~?」

『あれっ!』

 二人の指差した方を見ると……んと、

「ん、あんまんだな」

 どこが悲鳴あげるポイントなのあれ!?

『ちっちゃな幽霊が出たぁっ!!』

 ちっちゃすぎるだろ。

「大丈夫だよ~、ほらほら~、パクッ、もぐもぐ、ごっくん。ほらね~」

『ひーちゃんが呪われるぅッ!』

「罰当たるぞ、ひーちゃん」

「なっくんも食べてるじゃん~」

 お供え物食うなっ! 罰当たる前に腹壊すわ!

「全く、問題児だらけだな。さっさと行くぞー」

 お前も問題児の一人だろうが!

「わ~、凄いよあそこのお墓~。コーンスープがお供えしてある~」

 どんな家だよ。会ってみたいな。

「ひーちゃん、このスープ固ぇぞ? 茶わん蒸しじゃね? これ」

「スープ皿なんだけどな~、これ~」

 しかも平たい。

「ますますそこの家の人に会ってみたい」

「おい忍、よく見ろ、墓の名前」

 ん?

“枝里家”

「なるほど」

「な」

 なんっかよく分からんけど納得してしまった。

「二人ともッ! 早く行こうよーッ!」

「ただでさえ怖いんじゃけぇ、祟られるかもーっ! なんて余計に怖くせんといてよ!」

 そもそも人ん家の墓に勝手に入るな。

「おー、はいはい」

「早く行こ~」

 早く行こ~、って言われてたのはアンタだ、光。

「じゅぅうううん!」

「あ?」「ん?」

 あれ? 背後から何か声が。

 背後から、すぅっごい恨んでるようなこっわぁい声が。

「てんめぇ仕事サボるとはどういうこっちゃ!」

「何か訳の分からんことに引き込まれて」

 龍城……さん? どうやって引き込んだんだろう。

「この真面目くんのくせして、サボるとはどう言う事だ! 俺に仕事が回ってきたやんけ!」

 関西の人? にしちゃ標準語も混ざってるなぁ。

「にしても……純兄、仕事も真面目くんなの?」

「『も』って何だ、こら」

 だってぇ。夏休み入ってからほぼ毎日勉強してるし。

 ……あ、しなきゃいけないのか、受験生。えー。

「お前、家でも真面目くんなんか?」

 あ、何かすっごい呆れたような顔してる、この人。

「だから、『も』ってなんだ、こら」

『だってぇ』

「だってじゃなくて。何しに来た、忍」

「あたしいちゃいけないの!?」

 軽くショックだよ!? しかも今来たわけでもないのに!

「……妹ちゃんも忍っていうと?」

 あ、忍ってこの人の事か。

「あぁ」

「ふーん、よろしく、忍ちゃん!」

 ニパーとか言う効果音つきそうだなー、この笑顔。そして胡散臭いなー。

「え、あ、よろしくです」

 で、この人は結局何しに来たんだよ。

「忍、結局テメェは何しに来たんだ」

「あ、そうそう。てんめぇこの、真面目くんのくせに仕事サボるとはどう言う事じゃぁああああっ!」

 楽しそうだね、怒鳴るの。

「ん。妙羅は何て?」

「部隊長なら座布団枕にして寝てる」

 ……何だろ、想像するのが難しい。

 って言うか部隊長って何の部隊長? それって偉いの? いや偉いだろうけど。妙羅の態度からして。

「流石置物。そのままゴミ捨て場にでも捨ててやれ」

「おぅ。 ……って違う! 早く来い!」

「んー。何処?」

 あ、すっごいめんどくさそう。

「ずっと東の方じゃ、オラ行くで!」

 あのさ、さっきから思ってたんだけど。この人どこ出身?

「……わぁったよ」

「えーっ、ちょっと、皐月姉達に何て説明しろと!? 純兄行っちゃったら……」

 最後まで言う前に行かれちゃったよ。

「お姉ちゃん~! ついて来てるんでしょ~? 早くおいでよ~!」

 うー……まぁ、いっかぁ。

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