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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
八月だけども暴走中
179/410

179 凄いらしい

「お兄さーっんこっちら、どっちら」

 何の歌だろう、これ。

 忍でーす。

 お風呂あがりで涼しいです。

「おにーさん居るー?」

「お前の『おにーさん』って誰を指すんだ?」

「あたしは純兄以外に兄さんいないよ」

「鬼じゃねぇのか」

 聞き間違い?

「忍あがった? 純、次入る?」

「後でいい」

「じゃ次入ろ」

「おとーさん今日は早いね」

「うん」

 道草食ってなかったんだねー。

 家のおとーさんの場合本当に道端に生えてる草食ってんだから困る。

 いくら野草美味しいからって……ねぇ?

 ちゃんと公園の水で洗ってるとか言ってるけど……そういう問題じゃないでしょ。

「ん、俺ちょっと行って来る」

「どこに?」

「どういう訳か死神どもに押し付けられた仕事」

 純兄が仕事人間になっちゃったぁっ!?

 しかも何か妙羅に限定されていないのは何故っ!?

 オマケに自分も死神だよねー。

「行ってらっしゃ~い。夜食作っとくから遅く帰ってきてね~」

「違うだろ、それ」

「え、何でおかーさん普通にしてるの?」

「え、だって今まで何千回とあったことだし~」

「何千とあってたまるか」

「冗談だよ~。何百回とあったことだし~」

 あれ、純兄が否定しない。

「嘘ー」

「ホント~」

「おとーさんは?」

「知らないよ~」

 よく気づかれなかったね~。

 ってか、よく気づかなかったね~。あたし達も。

「でも純も開き直ったね~」

「昨日教えたし」

「あらら~。そうなの~」

「うん」

「行ってらっしゃい~」

「ん」

 行ってきます位言おうよ。

 行ってらっしゃーい。

「何で二階上がるの」

「人前で死神になるの嫌なんだって~。可愛いね~。家族なのに~」

 可愛いか?

 死神になる、の方は見てみたいけど。

「忍も可愛いよ~」

「突然そう言われても」

「あはは~」

 困るだけだって。

「何作ろうかな~」

「おにぎり希望」

「……食べる気満々ね~」

 そりゃもちろん。

「あたしも手伝うからさ」

「ならよし~」

 おかか食べたいなー。

 ……あ、ところで。

「そういえばさー。死神って給料あるのかな」

「そりゃあるわよ~」

 ですよねー。

 じゃないと妙羅とかどうやって生活してるのさ。

「この家の貯金一部は純のお給料だもの~」

 嘘ぉ。

 危うくせっかくできたおにぎり落とすところだったよ。

「死神のお金って円なんだ」

「宝石~」

 …………え。

「質屋で売ったら凄いのよ~」 

 近所に質屋何てありましたでしょうか。

「一回で諭吉さまが十人くらい~」

 死神って給料いいんだねぇ

「霊界の質屋ってすごいのよ~。円でもドルでもユーロでも何でもアリ~」

 霊界に質屋があるんだ。

 そりゃたしかにすごいかも。

 …………どんな世界だよ霊界。

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