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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
八月だけども暴走中
178/410

178 壊れた原因

「と言う訳で説明してもらうよ~!」

 と言う訳、が分からない方は前話へお戻りくださいませ。

 忍でーす。

「んで?」

「いや、だから説明しろって! にーちゃん何で故障したの?」

「人をロボットか何かみたいに言うな」

 え、でも手が故障したとかって言うじゃん。

「口で説明しろと? めんどくせぇ」

『そこめんどくさがらない!』

「……よし、別の奴に聞いて来い」

『誰にっ!?』

「開く」

 おー、あたし達三人の真下に真っ黒な大穴が……え。

『何するかっ!』

 壊れたところをさらに追加ーッ!

「行てら」

『行てらじゃなぁあああああい!』

 と言う叫びもむなしく、あたし達は落ちていくのでした。

 …………気分はお結びころりんのお結び。



「……あ、しーねぇたーにぃひーねぇ。何、干されてる」

「干されてねーよ!」

 気が付いたらでっかい木にぶら下がってました。気分は布団。

 下では何やら斬が何か口に出したくない色々なものを広げています。頭の中の警戒警報が五月蠅い。

「とりあえず降りよ?」

 この木、でかいくせに下までしっかり枝がある。変なの。

「……しーねぇって、猿?」

『うん』

 こらそこ、失礼なこと言うな。

 木登りに慣れてるだけだ! ……あれ? 猿って褒め言葉だった?

「岳と光も早く降りといでー。足場大量にあるでしょ」

「飛び降りてキャッチしてくれるって言うのは無し~?」

「岳は百パー無理。光は…………んー、やっぱ重そうだしやめて」

「女の子に重いとか言っちゃいけないんだよ~」

 はいはい。あたしも女の子ですが?

「……で、何しに来たの」

「にーちゃんが壊れた」

「じゅーにぃ? 昨日も会った。壊れて無い」

 昨日『も』?

「純お兄ちゃんが何かね~、色々変な事できるようになってたから~」

「……変な事?」

「一、何か変な穴開けてた。物しまえるようなの。

 二、霊力操ってた

 三、オレ等を変な穴に落っことしてここに飛ばした……あれ、ここ何処?」

「森」

 いや、そりゃ見たら分かるよ。

「……世界の事? なら、霊界」

『何処だよ!』

「……現実世界と幻想世界の間の現実的世界と幻想的世界の間の小さい世界」

 げんそうてきせかいとげんそうせかいのあいだのげんじつてきせかいとげんそうてきせかいのあいだ?

『ややこしいわっ!』

「現実世界と幻想世界のド真ん中」

 幻想世界ってどんなのだろー。世界の位置について考えることは放棄しました。

「霊界ってことは幽霊も居るの~?」

「……幽霊は冥界行特急列車待ちのだけ。居るのは死神、神、死神か神候補生、妖怪、オバケ……その他諸々。」

 冥界行特急列車って。特急列車って。おい。

「オバケと幽霊は違うの~?」

「オバケは生まれた時からオバケ。幽霊は何かが死んだモノ」

 ほぇ~。

 ……あれ、何か本題がどっかに行ってしまってるけど。

「でっ! にーちゃんは結局どーなったんだ?」

 あ、岳も思ってたんだね。

「……何も変わってない」

「んじゃさっきの壊れたとこ一、二、三! は何なんだ?」

 『壊れたとこ一、二、三!』? 幼稚園児向けの歌の曲名みたい。

「二、三……死神なら誰でもできる」

 兄が死神になりました。……ごろ悪い。

「何でにーちゃんが死神見たくなってんだよ!」

「死神、感染する」

『病気か!?』

 感染症!? 怖ッ!

 ミイラ取りがミイラになるようなもの? あれ、何か違う?

 ミイラの奥さんがミイラになるようなもの? 怖ッ。

「……そのうちしーねぇ達も死神に……」

 なりたか無いです。

「んじゃ、にーちゃんは死神が感染して死神になったと」

「……うん」

『多分』じゃなくて『うん』なんだ。

「……ちなみに、いつからなってた?」

 最近じゃないの?

「…………」

 あれ、おーい。この沈黙何!?

「……最初から」

『はぁっ!?』

 御冗談を。

「本当。最初に会った時、死神だった」

 うっそだー。

「斬くん~。死神って、どれ位でうつるの~?」

「半年から一年……」

 あ、原因絶対妙羅だ。

 五年の時絡まれて困ってたのなんだのうんぬんって言ってた気がするし。

「あれ? だったらあたし達もうとっくになってるんじゃ……」

「じゅーにぃ、普段は人間。たまにしか死神しない」

 へぇ?

 純兄も死神したら和服着るのかなー?

「……そう言えば、四年くらい前にじゅーにぃっぽいの見たって。未理阿が……」

 記憶力良いんだねー未理阿。あたしから盗んだものも覚えてるのかな? ってか覚えとけ。

「あ、そだ。一つ質問」

「……?」

「壊れたところ一、は?」

「…………ミュウの血でも飲『怖いこと言うなっ!』……でないと、そうはなら……あ」

 あ? どした?

「……うん。妙羅が飲み物に混ぜて飲ませてた」

 あ、言い切りやがった。

「お姉ちゃん~! 純お兄ちゃんが吸血鬼になっちゃった~!」

「騙されただけっぽいから落ち着いて」

「……便利だから、いい」

 そこ、開き直らない。

 はい、調査結果。

 純兄が壊れた原因=妙羅

 死神感染させるわみゅうの……んと、うん。とにかく。元凶あいつだ。

「まぁ、原因分かってよかった……のか?」

『………………』



「うぉわっ!」「わ~っ」「ぉあっ」

「ん。お帰り。分かったか?」

 斬に送ってもらいました。出たところは純兄の真ん前でした。思い切り体打ちました。

 もっと優しくやってくれ。

「色々にーちゃんが大変だった事は分かったかも」

「ん。そか。……あ、そだ。これ付けとけ」

 ミサンガ? あ、多分これ純兄お手製。

 黒い紐で編まれてて、透明な石がついてて、その中で赤いのと黒いの靄がぐるぐるしてる。

 めーがーまーわーるー。

「何コレ。ミサンガについてる石高そう」

 反応するのそこ?

「売るなよ? 死神感染予防のミサンガ。なりたかねぇだろ」

 何で分かった。エスパー?

「分かった~。ちゃんと付けとく~。でも何で今更~?」

「なかなか石が手に入らなくて。見つけてもやたら高ぇし」

 あ、やっぱ高いんだ。

「一応四年前から探してたけど」

 ……絶対それ無くすなよってアピールだね!? そのこあい微笑み消して!

「ねー純兄。妙羅に何か変なの飲まされたって……」

「ミュウの血は別にまずくなかったけどな。人間と違って」

 あー、発言もおかしくなってきた。

「…………お姉ちゃん~! 純お兄ちゃんが吸血鬼に~!」

「ならねぇよ」

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