176 おかしなモンには手を出すな
「で、やっぱ怖いから見たくねーって? あ、聞きたくねーか」
「うぅ……うん。なんなの水攻弾って!? 心臓狙えって!? クスリって!?」
死神トリオ……あ、死神はいっぱい出てきたから最凶トリオに改名。に会っちゃったのか。
「というわけでやっぱり聞こえないようにお願いっ!」
「いや、オレに言われてもどうすりゃいいか知らねーしなー」
あたしの方見ても、あたしだって知らないから。
忍です。
「何でっ!? 何で……えと、お兄さんは出来るのに高山くんできないのォ!?」
純兄の名前知らなかったんだ。
「んーと、にーちゃんはほれ、異常なんだ」
岳、その言い方はどうかと。
「あ~」
そこのピンクも納得しない。
あ、ピンクって、着てた服がピンクだったらピンクって言いました。
頭の中ではありません。
「りりってばお兄さんに会いたいんだけど……何処に居るのォ?」
『寝てます』
「えぇっ!? 絶対早起きする人だと思ったのに!?」
ぴーんぽーん、大正かーい。
いつも無駄に早起きしてます。稀に二度寝。
「え? でもまだ十一時だぜー? オレだったらまだ寝てたい時間……あ、何か急に眠くなってきた。朝の変な味のお菓子のせいか?」
何変なものに手ぇ出してんの。
「お休みー。でも寝るなら布団へゴー」
ほっとくけど。
「あーいあーいさー」
うあ、本当に眠そう。
「え、え、え、止めないのっ!?」
「床で寝られるのも邪魔だし」
「…………不思議一家だね」
そうかな?
父:野草オタク&変な話を即興で作る
母:怖いと言えば怖いかもしれない
兄:よー分からんが色々な意味で異常
岳:元気
光:料理異常
「そうだねー、まともなのあたし位じゃん」
「りりはお姉さんも含めていったんだけどねっ!」
え? あたしも? どこが?
「んでー、どするの、ピンク」
「りり!」
「どするの、りり」
「どするって?」
んー、だから。
「1.このまま諦めて帰る、2.午後に出直してくる、3.純兄をたたき起こす」
「3で!」
よしよし、分かってるなこの子。
「起っきろーっ!」
「起っきてーっ!」
「やだ」
起きてるじゃん。
「あのあのっ! これ、聞こえないように……」
いきなりいった。
「んぁ? あー、だからやめとけって言ったのにー」
純兄眠そー。岳は熟睡中。
「え、あのー、まさか戻せないとか……?」
不安そう。
何をしてた最凶トリオ。
「すぅっげぇ時間掛かる。戻すの」
「すぅっげぇ? って、どれ位?」
「んー、まぁ、最長コレくらい」
パー。……じゃないよね。
「五分?」
「まさか」
「五十分?」
「舐めてんのか」
「ご、五時間……?」
「五日」
『えええええええっ!?』
「というわけでまぁ、残念だったな。ちなみに俺はやる気なし」
いやいやいや。ほっとくなよ。無責任な。
あたしには関係ないけどさ。
元はと言えば、幽霊みたいとか言って霊力に手を出したりりが悪い。
これでよし。
…………いいのか?