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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
七月だから暴走中
175/410

175 見たいのーっ!

「凄いねっ! 高山くん家って大っきいんだねっ!」

「いや、普通サイズですが。んな事よりオレは何で里山がここにいるのか知りたい」

「右に同じ」

「前に同じ」

「しゅ、修也に同じ!」

「ただいま~」

 ……急に騒がしくなった。

 イコール、勉強に集中できん。

「んでんで、どうやったら幽霊見えるのォ?」

「純お兄ちゃんに聞いてみよ~」

 来るな。Uターンしろ。Jターンも可。とにかく来るな。

 やかましそうだから。

「純お兄ちゃん~」

「来るなって言ったのに」

「聞こえてないよ~?」

 声には出してねぇからな。

「と言う訳で~、んと~」

「りりだよっ!」

「そうそう~、璃々さんよろしく~」

「馬鹿待てこれを置いてくなこら」

 聞こえてないふりはやめろ。

「純兄~、誰か来てんの? 未理阿だったらこっちへ寄こせ」

 何があった、忍。

「あんにゃろーあたしのすもも盗りやがって。絶対許さん」

 何て分かりやすい。

「……よ、よく分かんないけど怖いなっ!?」

「なら帰ることを激しくお勧めする」

「ヤダッ! 幽霊どうやって見えるか教えてもらうまで絶対帰らないっ!」

 ガキかこら。

 ……あ、ガキか。

「忍」

「何っ!? 未理阿来た!?」

 違う。どんだけ根に持ってんだよ。

「呼ばれて飛び込んでじゃじゃじゃじゃーん! 未理阿ちゃんでした!」

 ……飛んで火にいる夏の虫。

「出たな未理阿! ちょっとこっち来なさい!」

「へっ!? 何々!? 何か居るの!?」

「違うのでした忍さん! あれはお母さんがどうしてもすももが食べたいって言うのにすももを買うお金が無くてやむなく「嘘つきなさい!」今やってるでした!」

「ちがぁう!」

 うっせぇにもほどがあるだろが。

 近所迷惑、画面迷惑? とにかく五月蠅い。

 よし、逃げる。

「あーっ! ちょっとちょっと! まだりりってば幽霊見る方法教えてもらってないよォ!」

「ついてくんな!」

「はぅっ!? うぅっ……でもでも、りりの夢は幽霊を見ることなんだよっ!?」

 どんな夢だよ、そりゃ。

 幽霊が見える程迷惑な事ねぇぞ? 冷凍庫を開けるとする。

『ここは我々のテリトリーだぁあああああ!』

 ほれ、氷漬けにされるのが好きなある意味マゾが三人くらい詰まってる。

 斬でも紹介してやろうか? 確か氷を操れたはず。

「何をつかんでるの?」

「氷」

「嘘だぁ」

 ある意味あってるけど? 冷たいって所は。

「ねぇね、ねぇね、どうやったら幽霊見えるの!?」

 話題変わるの早ぇなこいつ。

 そろそろ面倒になってきたんだけど……何がってもちろんこいつの相手をすること。

 ……ろくに相手してない? じゃあ近くにいるだけで疲れるこいつを引きはがしたいだけってことにしといてくれ。

 ……もういっそ幽霊見えるようにしちまおっかな。

「ちなみに、なんで幽霊が見たい?」

「えっ!? だって幽霊だよ!? 道の生物だよ!?」

 未知な。明らかに発音違う。

「テメェが死んだら何になる?」

「骨と灰!」

 ……………………。

「霊体の方、魂の方は」

「幽霊っ! 人魂っ!」

 え、別物って考えてるか? あーでもめんどくせぇしほっとこ。

「幽霊はどんな感じだと思う」

「人の形!」

「そう言う事を聞いてんじゃねぇよ。性格とか、その辺」

「んー、おとなしいのとドロドローンなのと、とにかくいろいろ!」

 ん、そだな。ドロドローンの意味が分からんが。

 まぁ、なんとなく聞いてみただけだけど。

「そんなのを一言でまとめて言うと」

「面白い!」

 馬鹿。

「鬱陶しい」

「えええええええっ!?」

 耳に響く……。超音波とどっちが上かな。さすがに超音波まではいかねぇか。

「と言う訳で見ないでいられることに感謝しろ」

「えぇーっ、何か納得できなァい!」

 幽霊同等に鬱陶しいなこいつ。

「……声だけ聞こえるようにしてやる。その上で見たかったらまた言え」

「えぇーっ、今すぐ見たいよォ!」

 いや、絶対後悔するから。本当に。

「じゃあこれも無「これだけでいいです!」ん」

 扱い方が分かってきたかも。

 んーと。……耳の中と脳の一部だけに霊力を移せと? うぁ、普通にやるより面倒。

「じゃ、ちょっといじくるぞ」

「へ? 何を?」

「説明面倒」

「新しい四字熟語でしょうか」

 あー、それでいいや。

「ひゃわっ!?」

「うっさい」

「ゆ、指が消えた!? って言うか、りりの中に入ってる!?」

「五月蠅いと言うに。っつか、どうやって見てる?」

「あそこの鍋に映ってるよ」

 あ、そう言う事。……片づけろよ、鍋。

「ん、終わり」

「え、これだけ?」

「……これだけって言うけど。すぅっげぇめんどくせぇ事してたから。俺がパズル得意じゃ無かったら数時間かかってるから」

「うっそォ!?」

 嘘をついて何になる。うぁ、疲れた。

「んじゃ帰れ。耳に響くっつか、もう頭にも響く」

「はぁい♪」

 今日の分、明日に伸ばそ……。予定伸ばすとか好きじゃないけど。



 オマケ

 やったやった! りりってば幽霊の声聞こえるようになっちゃった!

 いろいろ聞こえるな~っ♪

『ぎゃあああああああっ』

『おらおらおらぁっ! 水攻弾ッ!』

『ちゃんと心臓あたりを狙え。無駄打ちするな』

『いーだろ別に。弾切れするわけじゃあるまいし』

『……クスリ、かける』

『やめぇええええい! 振りまくなっ!』

『……じゃあ』

『よ、よし。氷の槍なら許可……』

 す、すっごく怖いよォ……。

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