166 成績表の恐怖
読んでくださっている方々、いつもありがとうございます!
最近いつも投稿が20時過ぎてからになってしまってますので……。
もういっそ、書いてすぐに投稿してしまおう! となりました。
あしからず……。
「あい、通知表渡すよー」
『いらない!』
「いやいらないじゃなく『いらん!』言い直さんでいい!」
注文が多いなぁ。
「あぁもう、はい、秋村ーっ」
あ、全部無視した。
「成績表怖ぇ」
「怖い」
「怖~い」
「怖……くなんてないわよっ」
『どうでもいい』
『そのノー天気分けろ』
純兄、なっくん、ノー天気ってどうやって分けるの?
忍でーす。
「海中!」
「ほーい。んじゃちょっと行って来る」
「生きて帰ってこい!」
「分かった、必ず生きて帰って「さっさと来ーい」……んと」
珍しく真剣な顔だったのに。
……こんなことで真剣な顔になってもなぁ。
「夏、どーだった?」
「上がった上がった」
おー、よかったね。
「上がったけど5が減った」
「5がある時点で凄いと思うよ?」
だってだって。あたし中学なってから5取った事なんて無いし。
なぜか4止まりなんだなぁ。
「わぁあああああっ!」
あ、シジミの悲鳴。
「……どうしたの」
「やったっ! やったよ! 1も2も無い!」
「………………」
「亮君その反応はないと思うんだっ!」
「いいなー、1無いって」
清、2は? 2はどうなの?
「鈴木!」
行ってらっしゃい、玲奈。
「どうだった~?」「十川!」
「上がったわよ。別に、これくらいじゃ嬉しくっ……無いけどね」
なら、口元が緩んでるのは何故?
「高崎!」
「せんせーそれ燃しといて」
「馬鹿なこと言ってないで来い」
「ふぇーい」
「生きて帰ってこい!」
なっくん、清に言われたことまんま復唱。
「だ、駄目だ……オレはいいからお前は「さっさと来ーい」最後まで言わせて。逃げろ!」
何から?
「ぐぼぁっ」
あ、清……血でも吐きそうな声したよ?
「大丈「高山忍!」んじゃ、そゆことで」
「最後まで言ってくれても……」
えぇーっ。と、気分で言ってみたりもしたりする。
「高山……お前職員室でも話題になって「私は何も悪いことしてないわよ!?」……誰」
さぁ? 玲奈かな。
「うん、まぁとにかく。二年に比べて大分伸びた」
おぉ、5がある。
あ、いつも通り保体は3なのね。
いっつもここCなんだよね~。安全に関してのうんたらかんたらってトコで。
「高山純!」
「生きて帰ってこい!」
ごん
「純くんの手刀が清くんのこめかみにっ!」
桜の実況って久しぶりに聞いたような?
「っつか、痛ぇえええええいつも以上に痛ぇええええええっ!」
「忍、見せて」
「ほいな」
「オレは無視かよ!」
いつものことじゃん?
「思わず殴りたくなるような成績だな」
「とか言いながら拳こっちに向けるのやめ……って、ホントに殴ってきたぁっ!」
下段払いっ。
「むぅ」
「今の絶対本気だったでしょ!」
「当然」
当然って。
「純、オール5?」
「いや」
何かいっつも成績表帰ってきたときその質問されてるよね、純兄。
「え、純、お前成績下がった?」
「喧しい」
下がったんだ。
「見せて見せて」
あ、4と5がいっぱい。
かと思いきや意外と少ない?
「3多し!」
「返せ」
はぁい。
「中谷ー」
あら、先生力尽きてきた?
「は、初めて5があった!」
しーちゃんのテンションが上がってる。
「そかそかー、よかったな、篠」
「うむっ」
何かしーちゃんが珍しくガキっぽい。
「私名簿順だといつも最後なんだよ~? どう思う~?」
このクラス、山中さんとか山本さんとかいないもんね。
だから山内の桜が一番最後になっちゃうんだねー。
「山内ー」
「遅いよ!」
「え、あ、えぇとー、ごめん?」
謝るんだ。
「あわわわわ」
あ、桜が何か慌てだした。
「あわあわあわあわ」
ダッシュで戻ってきた。
んで、筆箱から鋏を出して成績表を切ろうと……って
『待てっ!』
「あうあうあうあうあう」
桜をなだめるのに、三十分くらいかかりましたとさ。