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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
七月だから暴走中
165/410

165 妙羅の頼みごと

「純、ちょっと手伝え」

「第一声がそれかよ」

「何か問題があるか?」

「親しき仲にも礼儀ありとか言うじゃん」

「知らん」

 知っとこうよ。

 忍でーす。

 なんかもう、扉のとの字すら知らないよーとでも言うかのように、まあこれがいつも通りだけど。妙羅が入って来ました。

「何の手伝いだ?」

「来てから説明する」

 急ぐの?

「いや、ここでしろ」

「来てからだ」

「ここでだ」

「来てから」

「ここ」

「来てから」

「ここ」

「来てから……って、話が進まんだろうが」

 気付くの遅っ。

「ん、ならあきらめてここで説明しろ」

「したら絶対に手伝えよ」

「聞いてから決める」

「なら来てから説明「しても結局手伝わせるんだろ?」当然だ」

 当然なんだ。

「……よし、忍行って来い」

『何でそうなる(の!?)』

 おかしーよー、なんであたしに振るの!?

「私は純に来いと言った」

「……なら、聞いて忍でも出来そうなら忍にやらせる」

「妹はあてにならん」

「今さらっと酷いこと言われたよ!?」

 ろくに話したこともないのに!

「あぁもう、いいからさっさと言え」

 聞かないんじゃ無かったの?

「俺は早く数独の続きがした……チッ」 

「……妹、何故純は今舌打ちをした?」

 え、こっちに振るの。

「んっとー、あ、きっとタイマー止め忘れたんだ。パズルする時いっつも計ってるから」

「そうだ。テメェが突然入って来るから止め忘れた」

 最速記録が出そうだったのにね。

「私のせいか?」

「そうだ」

「はっ」

 あ、何か純兄の心の声が聞こえる気がする。

「(こいつ、殴りてぇええええええええっ!)」

 前言撤回。叫びでした。

「で、結局何なの?」

「最近入って来た部下の取り扱いが難しくてな」

「帰れ」

 うあ、バッサリ。

「部下の管理が出来ないとか俺に言ってもしょうがねぇだろ」

「そいつらの名前は斬、天、剣というのだが?」

 …………そりゃー取り扱いにも苦労するでしょうね。

「そいつらがお前の部下? 四月に入学したとこだろ?」

「実力があれば飛び級だろうがなんだろうがするからな」

 流石と言うか何と言うか。

 つまりあの三人、実力があったって事?

 ある意味あるけど。

「まぁガンバレ」

「何のために来たと思っている」

「さぁな。数独の邪魔をしにか?」

 根に持ってる……根に持ってるよっ。

「いや。取り扱い方を聞きに来た」

「説明書があるとでも思ってんのか?」

「無いのか!?」

 驚くところ!?

「あるのか?」

 妙羅が懐から取り出しましたるは。

『部下の取り扱い説明書 第一巻』

 ……あるんだ。

 何巻まであるのこれ。

「こんなのもある」

『後輩の取り扱い説明書 番外』

 番外って!?

「欲しいか?」

「生憎後輩がいない」

「そうか。まぁ必要になったら言え」

 別にいらないと思うんだけど。

「分かった。じゃあもう帰れ」

「何をしに来たと思っている」

「数独の邪魔」

 確定?

「で、取り扱い方……口頭でもいい」

「光ーっ! 居るか?」

「純お兄ちゃん~! 食べて食べて~。あ、妙羅さんこんばんは~」

「妙羅さまだ」

「は~い~」

 あっさり受け入れるな!

「……下の妹はいい子だな」

「手ぇ出すなよ、ロリコン」

 この人ロリコンなの!?

「一辺冥界(あっち)に逝くか? シスコン」

 シスコンじゃないと思うけど。

「光、手に持ったそれ、妙羅に食わせてやれ。喜ぶぞ」

「了解~。はいどうぞ~」

 光、何作ったの? クッキー? ゼリー? とにかく不気味な物体。

「……今の人間界にはこんな食べ物があるのか?」

 この人、何歳?

 あ、凄い、食べた!

「うっ……」

「ドクダミ入れたの~。これで妙羅さまも健康に~」

『なるかっ!?』

 むしろ毒だよねっ!? 体に悪いよね!?

「……斬に解毒薬でも貰おう」

「悪化させられないようにねー」

「………………」

 あ、黙って出てった。

 死神撃退! 

 


 あれ、何かこれって罰当たり?

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