162 蜂の巣除去は誰が?
「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん~!」
「うっせぇな」
「酷~い~!」
光です~!
「それよりね~! それよりそれより~! 蜂の巣~!」
ちょっと外見てみたら中くらいのがあったんだよ~!
「鉢? どこに」
「勝手口の所~」
「ん、あれか」
あれかじゃないよ~!
というか知ってたの~!?
「ひーちゃーん! やっほ」
「はーちゃん~! どうしよう~。蜂の巣~!」
「えっ!? 蜂の巣!?」
そうだよ~。蜂の巣だよ~。
どう見ても阪○を応援してるようにしか見えないあの虫だよ~!
「純くん純くん、どうしようっ!」
「ほっときゃいいだろ」
『無理ッ!』
怖くて怖くて出られないよ~!
……勝手口なんて使わないけど~。
あ~、でも冬には使うもん~! みかんとかりんごとか置いとくのに使うもん~。
「夏ー、忍ー」
『今手が離せないっ!』
「……何やってんだ、あいつ等」
「んとなー、何か和室で組み合ってんの。十秒間床に押さえてた方が勝ちだとさ」
人間指相撲~、とか言ってたよ~。
「…………親父は?」
「川へ野草を摘みに」
今度は虫よけ作るんだって~。
今更な気がするんだけどね~。もう蚊いっぱい居るし~。
「………………ほっときゃいいだろ、鉢くらい」
『駄目~っ!』
だんだん沈黙が長くなったと思ったら~!
押し付ける相手探してたんでしょ~。
「ん………………仕方ない。最終手段」
やってくれるのかな~。
……そんな訳ないよね~。
「お袋か秋さんは?」
「頼りねーな、にーちゃんっ!」
もっと言っちゃえ~!
「ん、あ、岳が居たな。悪い。じゃあテメェに任せた」
「任せるなぁああああああああっ!」
鉢が居なくなるならどっちでもいいよ~?
「冬さんとか?」
「ひーちゃんのお父さんと一緒に行っちゃったよ」
さ~、残りは岳お兄ちゃんと純お兄ちゃんだけだぞ~。
「そういう訳だ。任せた岳」
「ヤだっ!」
「鉢の子が食えるかも「いらねーよっ!」蜂蜜「無理だから!」じゃあ何ならいい?」
そういう問題なのかな~。
「…………んと、あ、に-ちゃんのゲームソフト一本で……」
凄い不平等条約~。
「よし、行って来い」
「うお、い-のか!? マジで貰うぜ?」
「ん、行け」
「ぜって-だぞ!」
「わぁったって」
「よっしゃ!」
おぉ~。あっさり~?
「純くん、ソフトどこにも無いよ?」
どこに置いて……し~ってなに~?
「ソフトなら大分前に売った」
『えぇ~っ!』
「し-、岳に気付かれるだろ?」
純お兄ちゃんずっこ~い~。