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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
七月だから暴走中
159/410

159 李も桃も桃のうち

『すもももももももものうち~』

「……んで?」

 すもも美味しいなーって言いたかったんだけど。

「美味しいね~、お姉ちゃん~」

「うん」

 光は分かってる!

「んー……。わっかんねーなー。すももって皮と種の周り酸っぱくね?」

『それも含めて美味しいんじゃんか~』

「ハモって言われても……」

 狙ったわけじゃないもん。

「なー、にーちゃんどー思……って、いねーし!」

「純兄なら妙羅に拉致られたよ」

「拉致!? 何で!?」

 年下のくせに呼び捨てにするのは生意気だーとか、何とかかんとか?

 確かそんな理由。

 ……妙羅って何歳なんだろ。三十路超えたおっさんだったりして。

「岳お兄ちゃんは何ですもも嫌いなの~?」

「んぁ? だって酸っぱいし。小っちゃいし。オレは断然桃派だ!」

 桃も美味しいよね。

「すもももももももももものうちだよ~」

「もが一つ多かったぞ!?」

「違うよ~。二つだよ~」

「分かっててやったのかよ!」

 何故に。

「……そーいやねーちゃん、それ、今取ったヤツ。何個目?」

 そんなに食べてないよ?

 んーっと……

「十個目くらいかなっ☆」

「二けたぁ!?」

 美味しいんだもん。

「お姉ちゃんずるい~! 私まだ九子だよ~!?」

「何がまだだっ!?」

「大じょーぶ、まだあるよ」

「もう食わんでいいだろがっ!」

『え~』

 食べたりなぁい。

「えーじゃなくて!」

「すももは別腹という言葉を知らんのか~!」

「知るか!」

 えぇっ!?

「何で二人してんな驚いた顔になんだよ!?」

『なんとなく(~)』

「リアクションまでなんとなくするなぁ!」

 喉潰れるよ?

「岳~、外まで声響いてるわよ~」

 お帰りー。

「あ、母さん、ちょっとさー、ねーちゃんと光に何か言ってやってくれよ。もうすもも十九個……あっ、今に十個になった。が、食われちゃってんだぜ?」

「えぇえええええ~っ!?」

 岳の声よりおかーさんの声の方が大きい気がする。

「忍~、光~」

『……?』

「これから十日間すもも無し~!」

『え~っ!』

 岳、『どーだ!』みたいな顔でこっち見ないの。

 後でげんこつ十発ね♪

「せめて五日~」

「だめ~」

 半分になってるし。

「六日!」

「だぁめ~」

「七日~」

「だ・あ・め~」

「八日!」

「め~」

「九日~」

「ふ~ん~」

「十日! って最初に戻ってんじゃんか!」

 むぅ……これなら。

「あ~、盗み食いしたら倍々に増やしていくよ~?」

『あぅっ!?』

「って考えてたのかよ!」

 当たり前でしょうが!

 あぅ~、すもも~。

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