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ただいま暴走中!  作者: 呪理阿
七月だから暴走中
157/410

157 大惨事です

「初プールだー」

「そんなテンション低い声で言われても~……」

「だーってさ、プールって着替え面倒じゃん? 入ってる間はいいけど……」

 オマケに、しーちゃんも桜も見学でしょ?

 んでもってその理由は水着忘れでしょ?

 うぅ……あたしも忘れてくればよかったかも。でも成績下がったりなんかしたらやだしな~。

「何でこんなに見学が多いのよっ!」

「玲奈さん、そこは怒っても仕方ありません。次からは忘れずに水着を忘れるようにしましょう」

美香みかっ!」

「冗談です」

 冗談の分かりにくい人だねっ!

 隅の方で体育座りして、さらにこんなこと言うから何か怖い。

「玲奈、友達できたんだ」

「余計なお世話よっ!」

「お世話をする気はさらさらありませぬ」

「誰よっ!」

 さぁ~?

 しいて言うなら一t法師?

「玲奈さん、忍さん、皆さんすでにプールに入っています」

『えっ』

 いつの間に?

「冗談です」

『ややこしいわっ!』

「というのが冗談です」

『ややこしいというに!』

 ふふ、とか言って笑わないでほしい……。

「ほらーっ、そこ二人、早く入りなさい!」

 あぁもう、中森なかもりがややこしいことするからぁ~!

 …………って、

『温っ』

 まだ二時間目ですよー?

 太陽さん、もーちょっと遠慮していーですよー。

 遠慮されすぎたら寒くなるし、前言撤回。

「はい、じゃあウォーキングー。あっちまで。よーいどん!」

 競争じゃないのに。

「あっちまで行ったらランニングで戻ってきてよ!」

 水の中でどう走れと!?

「と、とりあえず行きより早く足を動かせばいいのかしら?」

「そっかー、じゃあそれでいいんじゃない?」

「……適当に返してる?」

「うん」

 ほらほら、怒らない怒らない。

「はーい、じゃあ、水に慣れるために十回潜って! いーっち」

 潜りました。

 息を思いっきり吐いて、うっかり鼻から水を吸い込んでしまいました。

「げほげほげほげほげほげほっ」

「ちょっ、ちょっと!? 忍!? 心配はしてないわよっ?」

 じゃあ何で声かけてきたのかな!?

 ふぅー、落ち着いた。

「さーんっ」

 うぁ、二回目潜り損ねた。

『ぼこぼこ……こ、ここは何処でござるか……』

「ぷはっ」

 さて、なぁんでまた一t法師がこんなとこに?

「せ、先生! 何か底に変な虫がいますぅ!」

「みずでちゃっちゃっと追い出しといて」

 一t法師、虫扱いされちゃったよ。

「沈んでるんです! しかも底に埋まってるの!」

 あれ、そーだっけ。

 潜り。

 探し。

 見っけ?

 …………穴、開いてるんですけど。

 水、抜けてるんですけど。

 ってか、そもそも人間……いや小っこいけど。って、浮くよね!? 重くても!

 お相撲さんでも!

 一t法師って……どーなってるんだろ。



「先生! 三階の廊下の天井の穴から、水が……」

「はぁっ!?」

「本当です!」

 今年はプール授業、無しかもしれない。

 ……あ、九月もあるか……。

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